このサイトでは、スタイルシートを有効に設定していただくことで最適なコンテンツをご覧いただけます。

ページの先頭です。

ここから本文です。

病気や治療法を学ぶ! ドクターコラム

第1回ガンの放射線治療について

櫻井英幸先生 筑波大学 医学医療系 放射線腫瘍学教授 筑波大学附属病院 病院長補佐

1962年、群馬県生まれ。
群馬大学医学部卒業後、ケンブリッジ大学リサーチフェローとしてイギリスへ。
2008年に筑波大学大学院人間総合科学研究科教授着任、陽子線医学利用研究センター長、医学医療系臨床医学域教授などを経て、現職。

櫻井英幸先生
集中治療イメージ 三大治療 【手術】ガンの病巣を切り取る治療法です。【抗がん剤治療】化学療法とも呼ばれている治療法で、抗がん剤を点滴や飲み薬などで投与するものです。【放射線治療】ガンの部分にだけ放射線をかける治療法です。

主なガンの治療法は3つ

ガンの治療方法は「手術、抗がん剤治療、放射線治療」の3つに分けられます。
治療方法を決定する際には、ガン病巣の位置や進行度、患者さんのそのほかの
持病や体力など、さまざまな視点でみることが重要です。最近では、より効果が
高くなるように、複数の方法を組み合わせて治療を行う「集学的治療」も行われる
ようになってきています。

放射線の種類

ガンの放射線治療

手術や抗がん剤治療に比べ、治療方法の想像がしづらいであろう放射線治療に
ついて説明します。
放射線治療はガンの病巣部分に放射線をあててガンを小さくしていく治療法で
す。体にメスを入れる必要がないので痛みもありませんし、入院の必要もありませ
ん。臓器の機能や形態をそのまま残しながら、治療を行えるというのが放射線治
療の最大の利点で、患者さんのQOL* を高く保てる治療法であるといえます。

ガンの治療に使われる主な放射線治療についてみてみましょう。
それぞれに特徴がありますが、一部をご紹介します。エックス線は、体の表面近く
で一番強い力で当たり、弱くなりながら体の奥に進み、止まらずに体を突き抜ける特徴があるため、ガン病巣以外の正常細胞も傷つけてしまいます。一方、陽子線治療は、一定の深さでぴたりと止まる特徴があるため、ガン病巣を狙ってくり抜くように治療することができます。

*QOL(Quolity of Life) : 日常生活における精神的・身体的・社会的・文化的・知的な満足度を示すものとして表現される言葉です。

喉頭ガンの治療とQOL

具体的に、喉頭ガンの場合の治療を考えてみましょう。進行した場合には、手術で喉を切り、声帯を取る治療を行います。ネクタイの結び目のあたりに穴が開くことを想像してください。声帯がなくなりますので、まず声を出せなくなります。このほかには、空気が通らなくなることからにおいもわからなくなります。においがわからないということは、食事の楽しみがなくなってしまうということです。また、鼻もかめなくなりますし、お風呂に入ったときに水が入るとむせてしまうなど、日常生活のあらゆる場面に影響が出ます。いわゆるQOLの低下が生じてしまうのです。
一方、放射線を使用して治療する場合は、ガン病巣だけに放射線をかけて、喉の形と機能を残して治療を行います。喉の部分にメスを入れることがないため、上記のような生活に支障をきたすこともなくなります。

小児ガン・高齢化社会と陽子線治療

陽子線治療は他の治療と比べて、患者さんのQOLが高く保てることから、お子さまや高齢の方々にも効果が高い治療法であるといえます。お子さまの場合は、その後の成長に支障をきたさないよう、できる限り正常な細胞を傷つけないで治療が行えることが重要ですし、手術に耐えるだけの体力がなかったり、複数の病気にかかっていることも増えてくる高齢者層への治療には陽子線が適しています。

参照:筑波大学附属病院 陽子線医学利用研究センター(冊子:201303.4000)

ページの先頭へ