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病気や治療法を学ぶ! ドクターコラム

第2回脳梗塞について

戸田茂樹先生
メットライフ生命 チーフメディカルディレクター

1995年に日本医科大学医学部大学院医学研究科脳神経外科学を卒業後、同大学の脳神経外科講師を経て現職。
日本脳神経外科会専門医、日本脳卒中学会専門医。

戸田茂樹先生
脳卒中 脳梗塞 血管がつまる病気 脳血栓 脳塞栓 出血性梗塞 無症候性脳梗塞 脳内出血 血管が破れる病気 くも膜下出血 血管のコブが破れる病気

脳梗塞の種類

脳の血管が破れたり、詰まったりして脳に障害をもたらす病気を総称して脳卒中
といいます。右図の通り、脳卒中は3つの病気に分類され、そのうち脳梗塞は、
①脳血栓、②脳塞栓、③出血性梗塞、④無症候性脳梗塞の4つに分類されてい
ます。

①脳血栓(のうけっせん)
頭蓋内の動脈(脳に酸素と栄養を与えている動脈)が肥厚し硬化して血液の流れ
が悪くなると、血栓ができて血管をつまらせてしまい血流が途絶えることがありま
す。これを脳血栓といいます。

②脳塞栓(のうそくせん)
脳以外の場所でできた血栓が脳の血管に運ばれ、頭蓋内動脈を詰まらせてしまい血流が途絶えることがあります。これを脳塞栓といいます。

③出血性梗塞(しゅっけつせいこうそく)
血液によって血管が詰まると、血栓により詰まったところから末梢の血管が壊死します。一定時間がたってから、血栓が溶けたり、壊れることによって血管内に再び血が流れることがありますが、このときに血管の壊死した部分が破れて出血してしまう事があります。この状態を出血性梗塞といいます。

④無症候性脳梗塞(むしょうこうせいのうこうそく)
たまたま脳ドックを受けて偶然発見されるような脳梗塞のことです。60歳を過ぎる頃から1つや2つ発見されるもので、年齢相応にある分には驚く必要はありません。

脳のイメージ

急性脳梗塞と慢性脳梗塞の治療の違い

急性期の場合、血栓を溶かす薬剤を点滴で投与し、血液の循環を改善する治療
を行うことがあります。他の条件もありますが、発症からの経過時間が大変に重要
で、発症から4.5時間以内であれば血栓溶解剤を使って治療を行うことができます。
脳梗塞発症から時間が経過していると、この薬剤を使うことによって、逆に脳出血
を起こす懸念があるため、時間の管理を厳格に行うことが求められます。

脳梗塞の治療において、「手術を行う」ことは「救命する」ことを意味しています。
手足の麻痺を改善するなどといった症状改善のためではなく、命を助けなければ
ならない状態であることを覚えておいていただけるとよいでしょう。

慢性の場合は、壊死した部分の血管を飛び越えて血管をバイパスする手術(血管吻合術)があります。多くの場合は頭蓋骨の外側の血管を内側にバイパスする方法で行われます。また、内科的な治療として血が固まらないように血液をサラサラにする薬(血小板凝固抑制剤)を継続的に服用する方法もあります。血液がサラサラになると聞くと、「体によさそうだ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、血液を凝固させる血小板の機能を抑制する薬なので、出血しやすくなるというリスクがありますので、医師の指示にそって服用する必要があります。

主治医とともに行いたい生活習慣病の管理 規則正しい生活 バランスの取れた食事 十分な睡眠 ストレスを極力抑え・またストレスを発散させる努力 適度な運動 適量にとどめる飲酒 禁煙

脳梗塞の予防策

「もしかして脳梗塞?」と予想できるような前兆というものは、ほとんどありません。
血管が詰まったときに症状が出るものなので、症状が出たときにはもうすでに脳
梗塞になってしまっていると考えてください。脳梗塞は突然にやってくる大変に怖
い病気です。
では、どのように予防すればよいのでしょうか。生活習慣病が原因となる場合が
多い為、その予防は生活習慣病をいかに回避するかということがポイントになり
ます。既に生活習慣病になっている場合は生活習慣病の管理を主治医とともに
行っていく事が大切です。具体的には右図に記載する7つの視点で生活習慣の管
理を行っていくとよいでしょう。

現時点で生活習慣病ではない方も、少なくとも1回/年の健康診断や人間ドック等で検査をされることが大切です。生活習慣病はそれ自体で明らかな症状を呈することは少なく、生活習慣病の進行により、脳梗塞・脳出血や心筋梗塞などの重篤な病気を発症するため気をつけなければなりません。脳梗塞の予防には、「生活習慣病にならない、なっても適切に管理することが重要である。」ということをご理解いただくことが大切だと思います。

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