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病気や治療法を学ぶ! ドクターコラム

第3回もっと知ってほしい女性ホルモンのこと

松村 圭子先生 / 成城松村クリニック 院長

広島県出身。1995年広島大学医学部卒業後、同産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニック開設、院長に就任。月経トラブル、性感染症、更年期障害など女性のあらゆる不調に対応するために、西洋医学だけでなく漢方薬やサプリメント、オゾン療法、高濃度ビタミンC点滴療法なども積極的に治療に取り入れるなど、広範囲から女性の健康を支える婦人科専門医として活躍中。

2種類の女性ホルモン

女性ホルモンは2種類あることをご存知でしょうか。
美のホルモンともいわれるエストロゲンと、母のホルモンと呼ばれるプロゲステロンの2種類です。

エストロゲンのひみつ

20代の女性が肌にハリツヤがあって美しいのはエストロゲンのおかげで、一生のうちで20代がいちばん分泌量が多いためです。思春期から20代に向けてグッと増え、30代後半あたりから減少し始めます。そして、40代後半ぐらいで一気に下がり、この時期を更年期と呼びますが、今までには経験がなかったようなさまざまな不調が出てくることがあります。

プロゲステロンは、子宮内に赤ちゃんを産むためのベッドを準備したり、体温を上げるなど妊娠を維持するための役割を果たすことから母のホルモンと呼ばれています。また、エストロゲンの暴走を止める機能ももっています。

エストロゲンは美のホルモンなので、量が多いほうが女性らしくて美しくいられると思っている方も多いようですが、実はそうではありません。
現代の女性たちに乳ガンや子宮の病気が増えているのは、生涯の月経回数が増え、エストロゲンの分泌も長期間にわたっていることが影響していると言われています。エストロゲンは肌のハリツヤを保つ機能がある一方、乳腺や子宮にも強く作用します。分泌期間が長いとそれだけ負担をかけることになり、その結果、乳ガン、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮体ガン、卵巣ガンなどの罹患リスクが高まってしまうのです。

月経回数が8倍に?!

戦前の頃は、生涯の月経はせいぜい50回ぐらいだったものが、現代だと400回以上になっていると考えられます。初潮が早まっていること、女性1人が生涯に産む子どもの数が減っていることなどから、月経回数が増えているんですね。また、第一子の出産年齢がだんだんと高くなり、それまでの間に子宮や卵巣がおやすみできる期間がなくなってきていることも影響しているといわれています。

乳ガンと検診の重要性

乳ガンもエストロゲンとかかわりが深い病気です。一つ気にしておいてほしいのが、肥満の人は乳ガンのリスクが高まってしまうということです。あまり知られてはいませんが、少量ではありますが脂肪細胞からもエストロゲンが分泌されています。今後の健康維持のために太り過ぎには注意しましょう。

日本は乳ガン検診後進国

先進国のうち、乳ガンが増えているのは日本ぐらいといってよいと思います。それはなぜかというと、日本女性の検診受診率がまだまだ低いからなんです。以前に40代の主婦の方々と座談会をした際に、「私は病気にはならない」とおっしゃる方や、「婦人科へ行こうものならご近所から何を言われるかわからないから、よっぽどのことがないと婦人科へ行こうとは思わない」というご意見が出ました。まだまだ日本の女性たちが検診を受けることの重要性を認識していないのだなと実感しています。

「早期発見・早期治療」。よく聞く言葉ですが、どうやらこの言葉が女性の皆さまにはご自身のこととしては捉えられていないような気がします。ご自身が健康でいられるために、また大切なご家族やパートナーのために、ぜひとも検診を受けていただきたいです。

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