メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.12.8この記事の所要時間:約6分

本来、キャンプとは“不便”を楽しむ行為です。家にいれば雨風をしのげ、充実した環境で料理ができ、お風呂でゆったりとくつろげ、スヤスヤと布団で眠ることができる。それらを放棄して、あえて不便な環境で生活しようというのが、キャンプなのです。

しかし、そんな不便を味わうキャンプをする人口が増えています。90年代にピークだったキャンプ人口は団塊世代の引退により下降傾向にありましたが、2010年ごろより毎年上昇しており、2016年のキャンプ人口は830万人を超えたそうです。※

これは、「グランピング」というホテルのようなサービスが受けられる贅沢なキャンプを楽しむ新ジャンルが生まれたり、主に野外で行われる大規模な音楽イベント「音楽フェス」をきっかけに初めてキャンプを体験したりと、入門の間口が広がっていることも影響していそうです。「これまでキャンプを体験していなかった層」がキャンプに触れる機会が多くなっているのです。楽しみ方も多様化し、気軽に始められるようになったことから、今後は老後の趣味としても人気が集まりそうです。

なぜ、今キャンプが人々を惹きつけているのか。それは、キャンプをすることによって得られる心身への良い影響があるからかもしれません。

※出典:オートキャンプ白書2017「2016 年のオートキャンプ概況」

キャンプの非日常体験がリラクゼーションに

キャンプをする理由の1つは「気軽に非日常体験ができるから」でしょう。家では体験できない不便さを非日常と捉えることで、特別なものに思えてきます。

「簡易的な家(テント)を設営し、食卓を作り、キッチンを作る。食べたいなら食べ、寝たいなら寝て、遊びたいなら遊ぶといった感じで、時間を気にせずに過ごせるんですよね。家で同じことをすると、カミさんに怒られちゃうけど、キャンプならなぜか許されるんです」

このように語るのは、キャンプインストラクターの井上博司さん(以下、井上さん)。たしかに、キャンプではなぜか子どもも怒られることが格段に減ります。自然の中では皆が寛容になれるのかもしれません。

 

キャンプインストラクターの井上博司さん キャンプインストラクターの井上博司さん

 

「当たり前なんですが、家の中では焚き火ができないんですよね。庭があったとしても、近所への煙を気にして気軽にはできません。これもキャンプをする大きな理由のひとつです。焚き火の炎の揺らぎにはリラックス効果があり、疲れた現代人を癒やしてくれます。夜中に無心で薪をくべるのは最高の時間です」と続ける井上さん。

こうした家ではできない体験がリラクゼーションとして、キャンプの魅力の1つになっているのではないでしょうか。

読者の中には、「わざわざそんなことやらないよ!」と思う方もいるかもしれません。たしかに家や電車の中など日常に身を置いているときには、想像しにくいでしょう。しかし、いざキャンプ場に行けば時間を贅沢に使えるので、普段やらないことが不思議とできてしまうのです。

自然に寄り添う健康的な生活

また、キャンプをすると生活リズムが整います。

寝る時間と起きる時間を自然にまかせるので、体調が生物本来のリズムになるのです。家にいるときは家電に囲まれ、時計を見る生活になりがち。キャンプでは身体が求めるがままに行動できるので、生物として必要なリズムに沿った生活になります。生活リズムを整えるためには、2泊以上がおすすめです。

1日目の夜はキャンプに来たテンションからか、どうしても夜更かししてしまいます。しかし、2日目の朝は日の出をダイレクトに感じられるので、自然と早く起きられます。目覚めに太陽の光を浴びると、眠気を誘う体内物質「メラトニン」の分泌が停止し、身体のさまざまな器官が活動を始めます。

このメラトニンは暗くなると再び分泌が開始されるので、夕暮れから夜へと日が暮れていくのにしたがって身体が睡眠に向けた変化をしていくのです。

このような生活を送るため、2日目の夜は驚くほど早く眠れます。身体のリズムがリセットされているからです。

たまには人工的な灯りがない場所で過ごし自然に身を任せて、身体をリフレッシュするのも重要です。あまりに普段とは異なる生活リズムになるので、いかに身体を無理させてきたか気付くきっかけにもなります。

このように、キャンプは身体に様々な良い影響を与えてくれます。しかし、いざ始めようと思っても、敷居が高く感じてしまう人も多いのでは? そんな人のために、今回は初心者でも楽しめるキャンプ術をご紹介します。

手軽にキャンプを楽しむ方法(1)コテージを使う

キャンプは道具が無数にあるため、すべて揃えるのは大変です。本格的にやるとなれば、車に2泊分の食料と、テーブルやイス、寝袋、テント、調理道具など「家財道具一式」と言っても過言ではない量の道具を用意する必要があります。

この道具の多さから、キャンプは敷居が高いものと思われがちですが、実はそんなことはありません。手軽に楽しむには「コテージ」に泊まればいいのです。

経験があったとしても老後にテントを張って本格的なキャンプをすることを考えると、かなりハードな状況と言えます。朝晩はテント内が冷えこみますし、荷物を運んだりするのも一苦労です。未経験の状態で始めるにはかなり厳しいでしょう。

しかし、コテージやバンガローを使えば、安心と暖かさを得られる空間で過ごせます。電気も使えるので、キャンプのノウハウを調べるためのスマートフォンだって充電できます。

自然の中で火を眺めてリラックスする、時間に縛られない生活を送り体調を整えるなどキャンプのメリットだけはしっかり受け取りながら、快適にキャンプの醍醐味が味わえます。

また、老後に限らず、夫婦や家族だけでキャンプデビューをするのはなかなか勇気がいることだと思います。できれば最初は、キャンプ慣れしている友人や家族と一緒に行くと良いでしょう。

キャンプ好きな人は、新しいキャンプ仲間を歓迎してくれます。慣れている人の動きや過ごし方は初心者にはとても参考になりますよ。

手軽にキャンプを楽しむ方法(2)車を中心に過ごす

車を寝床にする方法もおすすめ。いわゆる“車中泊”です。

オー トキャンプ場に行き、車とタープ(雨や日差しをしのぐための布製の屋根)を連結してテーブルを置きます。昼間は屋外で過ごし、食事や焚き火、自然遊びを楽 しむ。雨が降ってもタープで広げた空間に荷物を置いたことで広くなった車内で過ごせます。夜は車の中で寝れば、突然の雨などの心配も不要です。これでも十 分にキャンプを楽しめます。

大きい車でなくても、座席を倒し寝られるスペースがあれば十分です。この方法では、とにかく荷物を減らすようにして、最小限の装備から始めるのがコツです。

車でさらに快適に過ごしたい場合は、いっそバンを改造して後部座席を充実した居住空間にすることもできます。キャンピングカーほど大げさなものでなくとも、十分に移動とキャンプを楽しめます。

老後を迎える前から車中泊キャンプの楽しみを知っておくと、自由な時間ができたときに全国のキャンプスポットを車で周るという新しい趣味もできます。

今週末からできるキャンプ体験は、コンビニエンスストアの活用で

しかし、今まで全くキャンプの経験をしたことがない場合は、コテージも車中泊もまだまだ敷居が高く感じるかもしれません。日程を決めて、場所を決めて、道具を買って……と、かなり大変です。

そこでおすすめするのが、「週末超手抜きデイキャンプ」。

場所は家からちょっと離れた河原または湖。持ち物はイス、もしくは敷きもの。お気に入りの本。このくらいで十分です。

食べ物は道中のコンビニでサンドイッチや飲み物、おやつを購入。お湯をポットに入れて家から持っていき、カップラーメンを食べるのもいいでしょう。ちょっと肌寒い季節なら鍋焼きうどんをカセットコンロで作るのもおすすめです。手軽なのに贅沢な気持ちになれますよ。

 

手軽な食事

 

食べ物も持ち物も手抜きをして、あとは河原や湖でのんびり過ごすだけ。これでも立派なデイキャンプと言えます。

キャンプの本質は自然を楽しみ、時間を忘れること。食事は簡単に済ませ、ひたすらのんびりしたり、読書をしたり、会話を楽しむために時間を使いましょう。心身のリフレッシュのためにキャンプをするのに、準備で忙しくなるのは本末転倒です。

冒頭でお話し頂いたキャンプインストラクターの井上さんも「キャンプに慣れてくると、手の抜き方が上手になってきます。設営したばかりで、一息つきたいときはカップラーメンだけで済ませることもありますよ。昼は手を抜いて自然のなかでゆっくりする時間を作る。そして夕飯の料理に気合を入れます」と教えてくれました。

敷居が高そうに思えるキャンプですが、ここでご紹介したように、熟練者についていったり、施設を使ったり、手を抜いたりして気軽に楽しめます。まずは今週末から、手抜きキャンプで自然の中で過ごす魅力に触れてみてはいかがでしょうか?
 

 

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Posted: December 8, 2017