メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2018.5.11この記事の所要時間:約7分

人生100年時代に突入した日本で老後のマイホームについて考えたとき、さまざまな選択肢があります。かつては在職中に住宅ローンを組んで家を購入し、定年までにローンを払い終え、終生住み続けると考える方が多かったようです。しかし超高齢化やライフスタイルの多様化によって、引退後に住み替えを考えるシニア層も増えています。今回取材したのは、リタイア後にリゾートマンションへの住み替えをした方々です。

バブル時代に人気だった湯沢町のリゾートマンションの今

東京から上越新幹線で1時間20分。到着したのは新潟県にある越後湯沢駅。ノーベル賞作家川端康成の名作『雪国』の小説の冒頭のフレーズ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった……」とともに有名となった湯沢町は1980年頃からリゾートマンションの建設が相次ぎ、購入者のほとんどが東京の住民だったことから当時は東京都湯沢町などと呼ばれていました。

関越自動車道に上越新幹線と首都圏からのアクセスも良く、映画「私をスキーに連れてって」の大ヒットによるスキーブームも後押しし、湯沢町には90年以降も続々とリゾートマンションが建設されたのです。そして地価狂乱のバブル崩壊後、湯沢町のリゾートマンションの価格は、バブル期の10分の1以下に落ち込んでいるといわれています。その理由としては所有者の高齢化やスキー人口の減少が考えられます。リゾートマンションや別荘の売買を手掛ける株式会社ひまわりのホームページを見ると、湯沢エリアのリゾートマンションは10万円台で売買されている物件もありました(2018年3月現在)。

数年前は、空き部屋が多かった湯沢町のリゾートマンション。しかし、最近はリタイア後のセカンドライフを楽しむために湯沢町に移住するシニアの方が増えているといいます。訪ねてみると、そこにはアクティブに日々を楽しむシニアたちの笑顔がありました。

 

左から、中島さん、早野さん、石谷さん、鈴木さん 左から、中島さん、早野さん、石谷さん、鈴木さん

 

リゾートマンション暮らしの日常とは

現在、越後湯沢駅から車で6分ほどのところにあるリゾートマンションにお住まいの石谷正年さん(以下、石谷さん)は、1990年11月に完成した物件を新築で購入しました。購入当時は、秋葉原で家業の酒店を継いだばかりで忙しい毎日を送っていた石谷さん。金曜日の夜中に車で都心を出発し、週末は湯沢町で過ごすことで心身ともにリフレッシュしたそうです。湯沢でのリゾートライフを続けているうちに自然豊かなこの町の水や空気や食べ物に魅了されていきました。そして5年前、72歳の時にリタイアし、迷うことなく奥さまと湯沢のリゾートマンションに住み替えをしました。

少年時代からボーイスカウトなどで自然に親しんできた石谷さんの趣味は釣り。近場に水辺のある湯沢では、大好きな釣りがいつでもできるのが嬉しいと語ります。石谷さんがお住まいのリゾートマンションの総戸数は545戸。こちらのリゾートマンションには24時間利用できる温泉大浴場にシアタールーム、カラオケルーム、ビリヤードルーム、屋外にはバーベキューコーナー、そしてトレーニングマシンや卓球台などがあるスポーツルームに25mの温水プールと施設も充実しています。この贅沢な施設は週末や大型連休、夏休み、冬休みなどに利用する方々がほとんどですが、ここ最近は定住も視野に入れて購入するシニア層も増えてきました。

早野哲生さん(以下、早野さん)はセカンドライフに大好きな水泳を楽しむため、25mの温水プール付きのリゾートマンションに住みたいと探した結果、見つけたのがこの物件でした。冬場のオフシーズンは14時から21時まで開放されている25mプールには柔らかな日差しが差し込み、築27年とは思えないキレイさで管理体制の良さを物語っていました。平日は利用客も少なく、早野さん一人でプライベートプールのように利用できる日もあるそうです。

2016年からこのリゾートマンションにお住まいの鈴木忠勝さん(以下、鈴木さん)はスキーとゴルフが趣味で「年間32,000円で大好きなスキーもゴルフもできるなんて、これ以上素晴らしいところはない」と言います。実は湯沢町では湯沢町に住民登録のある55歳以上の町民は、20,000円で湯沢町のスキー場の共通リフト券が買え、湯沢町内すべてのスキー場で何度でも使用できるのです。そしてリゾートマンションに近い湯沢中里ゴルフ場で販売されるシーズン券12,000円を購入すれば、いつでもゴルフを楽しめます。つまりスキーとゴルフが年間32,000円で楽しめるのです。現在74歳の鈴木さんは、冬の間は朝からスキーを楽しみ、朝晩は温泉で疲れた体を癒し、春からはゴルフ三昧。同じくスキーが趣味の中島正さんは80歳。皆さん、姿勢も良くはつらつとしていたのが印象的でした。

このリゾートマンションに定住している方は現在40世帯ぐらいで、友人になるきっかけは朝晩の温泉だと石谷さんは言います。裸の付き合いで世間話をしながら、関係が近くなっていくそうです。そして最初からスキーやゴルフなどの経験がなくても、ここで初めて経験し新たな友人と生きがいを得る人もいるそうです。石谷さんの奥さまは、リゾートマンション暮らしが始まってから「脳と手先のトレーニングになるかも」とマンション内の知人に誘われ麻雀を覚え、新たな交友関係も広がり、湯沢ライフをエンジョイしているそうです。

長年住み慣れた環境からセカンドライフの場所として新たに選択した湯沢のリゾートマンション。住んでみて良かったことについて皆さんに伺うと、全員から「すべて良い! マイナスポイントは一つもない」と笑顔で答えてくれました。

 

ジムの様子

 

リゾートマンション購入で考えるべきこと

住んでいる方々のお話を聞くと、意外な魅力にあふれる中古のリゾートマンションは、湯沢に限らず日本には多くあります。自分の好みの場所に、そんな場所があるかどうか調べてみるのも楽しいでしょう。

実際に購入を検討するときのポイントは、やはりランニングコスト。10分の1以下に値下がりしているといわれている湯沢のリゾートマンションのランニングコストについて、先述の株式会社ひまわりに話を伺うと「管理費は物件によってさまざまですが、リゾートマンション購入の際には、管理費、修繕費、固定資産税などの固定費を安く抑えたいお客さまが多く、管理費は25,000円以下を希望する方が多いです」とのことです。もし物件の購入の検討をするのなら、管理費などの固定費は確認しておきたい事項です。

今回取材した石谷さんのように「豪華な共有部分の比率が高いリゾートマンションは管理費などが割高と言うが、贅沢な施設が使い放題で毎日が温泉三昧なら管理費、修繕費などの維持費も高いとは思わない」という見方もあり、使い方によってはむしろお得に感じるかもしれません。

国が推進する高齢者の地方移住 情報交流の場も開設

厚生労働省の発表によると2060年まで一貫して高齢化率は上昇していくことが見込まれており、2060年時点では約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる見込みとのことです。今後も高齢化は急速に進展する中で、気になるのは「終の住みか」です。

その問題を解決するために、昨今注目を集めている「日本版CCRC」。

「CCRC(Continuing Care Retirement Community)」とは、アメリカで普及している定年後の高齢者を対象とした生活共同体のことで、自立生活が可能なうちに入居し、その後介護が必要な状態になっても住み続けることができるものです。

平成26年9月に「まち・ひと・しごと創生」本部が内閣に設置され、その戦略会議の中で希望する高齢者が健康時から移住し、自立した社会生活を継続的に営める「日本版 CCRC」の導入が話し合われました。

「まち・ひと・しごと創生」本部事務局が発表した「日本版CCRC」生涯活躍のまち構想では「東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や『まちなか』に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくり」を目指すとあります。従来の高齢者向け施設は、要介護状態になってからの入所・入居が通例でしたが、「日本版CCRC」では、高齢者は健康な段階から入居して健康長寿を目指すことを基本としています。

それでは、自分に合った暮らしを見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。「まち・ひと・しごと創生」本部では、生涯活躍のまち探しのサポートとして居住・就労・生活支援等に関わる情報提供や相談に対応する窓口「移住・交流情報ガーデン」を開設。また地方自治体や関係省庁とも連携した「全国移住ナビ」で、移住者の体験談などに触れる機会づくりを行っています。

これが実現できれば、地方への新しい人の流れができ積極的に就労や社会活動に参画することにより、地方の活性化も期待できるのではないでしょうか。さらに増加傾向にある空き家や空き公共施設などの地域資源の活用にも一役買うこともできそうです。

今回、取材にご協力いただいた方々は、まさに「日本版CCRC」をスタートされた皆さんといえるのではないでしょうか。どこに住んでも老後の不安はあります。高齢者向け入居施設への入居を考えるにはまだ元気だし、かといって一人で過ごすのは不安だし、といった悩みを抱える方も多いでしょう。石谷さんは「そんな不安を解消するためにもマンション内でお互いにコミュニケーションを取り合い快適に過ごすための方法を今後は模索することも大事ではないか」と言います。

リゾートマンションへの住み替えは、老後の住み方の選択肢の一つとして検討の価値があると言えましょう。

 

 

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Posted: May 11, 2018