メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.10.27この記事の所要時間:約8分

呼吸に合わせて手指を刺激して、全身を健康に

健康を維持したいのは、30代でも40代でも50代でも同じ。しかし、働き盛りではなかなかストレス解消のために、旅行したりはできないものです。そんな方にぴったりなのが、簡単にできるセルフケアとしての「指ヨガ」です。

呼吸を意識しながら手をもんだり指を回したりするだけで、本格的なヨガに近い効果を得られると言われる指ヨガ。全身を使うヨガや足つぼマッサージと違い、場所を選ばず、すぐにできる手軽さが魅力です。通勤中や、仕事のちょっとした合間でもできます。そこで、龍村式指ヨガの創始者である龍村修先生に、指ヨガのやり方を教えていただきました。

 

龍村修先生

 

指ヨガって何? どうして体がラクになる?

指ヨガとは30年ほど前に龍村先生が開発したメソッド。もともと龍村先生は、40年以上、ヨガの研究と指導をしてこられた方です。龍村先生は何がきっかけで指ヨガを開発したのでしょう。その発端を聞いてみました。

「ヨガは部分と部分が相互に関係していると考え、体は1つの小宇宙だと捉えています」と龍村先生は話します。「手」を単に「手」として扱うのではなく、全身と深く結びついているという考えがベースにあるそうです。

「また、鍼灸では『手は人体の縮小版』といって手指と全身は相応していると考え、相応する場所に鍼を打って間接的に患部を治療します。その相応図を見たときに『多くの人は、鍼を気軽には打てない。では、鍼の代わりに指で刺激するとどうなるのだろう?』と思ったんですね。そこで、鍼を打つ代わりに指を回したり、手をもんだりしました」と龍村先生。鍼の相応図を参考に、指で刺激を与えたら、意外にも効果があったことから指ヨガの研究は始まったのだそうです。

 

「龍村式指ヨガ」の手指と全身の相応図。

 

手指と全身が相応しており、該当する箇所を刺激することで体調が回復。その仕組みがどうなっているのか気になるところです。
「人の手はもともと足でした。進化の過程で二足歩行になり、手を使うようになって脳が発達したのです。手全体は脳との関係は深く、脳が体の関連部位へと影響を与えると考えられています。すべての効果が現代医学として明らかになってはいませんが、手で胃に関係しているところを刺激した際、胃の反応が内視鏡で確認されたこともあり、現代医学の視点で見ても少しずつ関係性がわかってきました」と龍村先生は話します。
さらに、指ヨガと指のマッサージはどう違うのかをお聞きしました。
「指のマッサージとの違いは、ヨガの技法を取り入れている点。ヨガは動作、呼吸、意識集中の3つを一体にして行います。指ヨガでも、手指に刺激を与えながら呼吸と意識集中を同時に行うのです。
例えば、肩のこりをほぐすために指をそらすとき、息を『はーっ』と吐く。同時に、こうすると肩のこりがよくなるんだという意識を持ちます。そうすれば気体状の老廃物が一緒に出るのです。手の刺激、呼吸、意識集中の3つを合わせることで、気(生命エネルギー)の流れがよくなり、肩のこりがほぐれるのです」と、龍村先生は説明します。

指ヨガは現代病VDT症候群の対策にも

指ヨガのよい点は、場所を取らず、使うのは手だけなので簡単に取り組めること。他にどんなメリットがあるか伺ってみると、
「朝に指ヨガを行うと、ぼーっとした頭が覚醒しますし、夜寝る前に行うとよく眠れるようになります。お風呂あがりに行うとリラックス効果もありますね。体の疲れが取れるだけでなく、緊張がとけることで心が開き、ものの見方が変わったりもします。
場所を選ばないため、電車の移動中でもできますし、手を触るだけだから指ヨガをしていても不自然さがないのもよいですね。
また、体を動かすのが大変な年配者に対しても手軽に行えるので、介護の現場でも実際に使われています」と龍村先生は笑顔で利点を語ってくれました。

最近は、VDT症候群の対策として指ヨガを教えてほしいと、企業の研修に招かれることもあるそうです。VDTとはビジュアル・ディスプレイ・ターミナルの略で、パソコンなどのディスプレイを使った長時間の作業により、目が疲れたり、視力が落ちたり、肩がこったりする症状のこと。
「キーボードを打つことで、姿勢が悪くなって呼吸が浅くなり、酸欠から、脳の疲れが出るのが原因ですが、指ヨガをすることで、簡単に改善するんですよ」と龍村先生。パソコンやスマホを切り離せない生活に、指ヨガは大きな助けになりそうです。

すぐにやってみよう! おすすめの指ヨガ3選

そこで、龍村先生に指ヨガをいくつかご紹介していただきました。悩み別になっていますが、これだけをすればよいというわけではなく、本来は、全体的に通しで施術した方が効果的だそうです。
指で刺激を与える際、呼吸をするのがポイント。押したり、伸ばしたり、そらせたりと刺激を与えるときは息を吐きながら行い、緩めるときは息を吸いながら行います。
吐くときは、「ふーっ」と息を吐ききることで老廃物や体の疲れを出すのだというイメージをもって行うとよいとのことです。

指ヨガを行う際は、ご自身のペースに合わせて、無理のない範囲で始めてみましょう。

【悩み1 集中力をアップして、効率よく仕事をこなしたい】
指を回したり、そらしたりすることで心身ともにリラックスし、その上で、右手と左手に違う動きをさせることで脳の回路が増え、集中力が上がるそうです。

①指を回す
ゆっくりと息を吐きながら、それぞれの指の関節を左右に10回ずつねじります。
各指の第1関節の近くをつまんで左右に10回ずつねじり、次は第2関節の近く、最後に指の付け根をつまんで左右に10回ずつねじります。

 

集中力アップの指ヨガ手順①指を回す

 

②指をそらす
ゆっくりと息を吐きながら、各指を1本ずつ甲の方へと、ゆっくりそらせます。

 

集中力アップの指ヨガ手順②指をそらす

 

③右手と左手で違う動きをする
右手で2本指(親指と人指し指)を立て、左手でキツネの顔(親指、人差し指の先をつける)をつくります。次に、息を「ふーっ」と吐きながら、同時に右手と左手の形を逆にします。それを交互に数回行いましょう。
なかなか思う通りにはいかず、「あれっ」と思うはずです。
このように指を入れ替えただけで脳が一瞬混乱しますが、逆に脳の回路が増え、いろんなことに適応しやすくなるそう。結果的に集中力が高まるとのことです。

 

集中力アップの指ヨガ手順③右手と左手で違う動きをする

 

【悩み2 お腹周りをダイエットして、メタボ予防!】
手のひら全体をもんで内臓の機能を整えることで、食べ過ぎを防ぎます。ストレスも減るので、ストレスを発散させるための過剰な食事も必要なくなります。
また、真ん中の指は背骨に当たり、指をそらすこと=背骨をそらすことになり、食べ過ぎを防ぎます。

①手のひら全体を押す
手のひらを縦3等分、横3等分の9ブロックに分けます。写真の番号順に、ゆっくりと息を吐きながら押していきます。真ん中の1番が、へその部分です。

 

メタボ予防の指ヨガ手順①手のひら全体を押す

 

②真ん中の指をそらす
ゆっくりと息を吐きながら、中指を甲の方へと、ゆっくりそらせます。

 

メタボ予防の指ヨガ手順②真ん中の指をそらす

 

【悩み3 ぐっすり眠って、疲れを取りたい】
眠る前にゆっくりと時間をかけて指をほぐすと、深く眠れます。夫婦であれば、2人で以下に説明するペア・ハンドヒーリングをするのがおすすめだそう。①~⑩で1セット。片手ずつ両方の手に行いますが、片手だけでも効果が期待できます。
指ヨガを受ける側はあおむけに寝るか、ゆったりと椅子に座り、リラックスします。
指ヨガを受ける側もする側も、手に刺激を与えるときは息を吐きながら行い、緩めるときは息を吸いながら行います。

ペア・ハンドヒーリング
①手首ほぐし
指ヨガを受ける人の手首を両手で軽く持ち、手をぶらぶらさせて、力を抜いてもらいます。リラックスした状態を保ちます。

 

安眠の指ヨガ手順①手首ほぐし

 

②指つまみ、指伸ばし
息を吐きながら、各指を少しずつポイントをずらしながら押し、最後に引き抜くように離します。2~3回行います。

 

安眠の指ヨガ手順②指つまみ、指伸ばし

 

③手のひらむき
手のひらの中央を両手の親指で押さえ、少しずつ外側にずらし、ミカンの皮をむくように息を吐きながら開きます。2~3回行います。

 

安眠の指ヨガ手順③手のひらむき

 

④手のひらそらし
手のひらむきと似ていますが、手のひらを両側からつかんで、手のひら全体を外側にそらせます。5〜6秒ほどそのままにし、深呼吸をしながら戻します。2~3回行います。

 

安眠の指ヨガ手順④手のひらそらし

 

⑤手のひらもみ
手のひらを縦3等分、横3等分の9ブロックに分け、1番から1つずつのブロックを親指を2本そろえて、息を吐きながら各2~3回ずつ押します。
痛く感じるところがあれば、気が滞っている部位なので集中的にもみます。

 

安眠の指ヨガ手順⑤手のひらもみ

 

⑥手の甲むき
手の甲を両側からつかんで、「手のひらむき」と同じようにミカンの皮をむくように、外側に少しずつずらしながら開き、手の甲の指の間を開きます。

 

安眠の指ヨガ手順⑥手の甲むき

 

⑦手の甲もみ
手の甲の骨の間を押していきます。指の骨と骨の間を広げて、各ラインを手首側から指先の方向へ、少しずつずらしながら10か所くらいに分けて押します。
痛く感じるところがあれば、気が滞っている部位なので集中的にもみます。

 

安眠の指ヨガ手順⑦手の甲もみ

 

⑧押し開き、押し伸ばし
両手で、手のひらに圧力をかけ、息を吐きながら、内側から外側に手をスライドさせて広げます。数回繰り返します。
今度は、手のひらに圧力をかけ、息を吐きながら、手首側から指先側に押し伸ばします。手のひらにアイロンをかけるようなつもりで行います。

 

安眠の指ヨガ手順⑧押し開き、押し伸ばし

 

⑨プレス
両手で、指ヨガを受ける相手の手を挟み、5秒ほどぎゅーっと握り、3秒ほど緩めます。
これを2~3回繰り返します。

 

安眠の指ヨガ手順⑨プレス

 

⑩包み込み、祈り
自分の手に、指ヨガを受ける相手の手を載せて優しく包み込みます。相手の幸せを祈ります。

 

安眠の指ヨガ手順⑩包み込み、祈り

 

いつでもどこでもすぐに行える指ヨガは手軽な健康法です。特にペア・ハンドヒーリングを行って肌を触れ合う機会が増えると、夫婦仲もさらによくなるとのこと。体がラクになるだけでなく心も豊かになる指ヨガを、毎日5〜10分でよいので始めてみませんか?

 

龍村修先生

 

<龍村修先生プロフィール>
兵庫県生まれ。龍村ヨガ研究所所長、国際総合生活ヨガ研修会主宰、NPO法人日本YOGA連盟副理事長、NPO法人沖ヨガ協会理事長、一般社団法人手のひらセルフケア協会理事長。
大学時代の演劇活動の中でヨガに出会い、求道ヨガの世界的権威・沖正弘導師に入門し、沖ヨガ修道場長を経て、独立。龍村ヨガ研究所を開設し、国内外でヨガの指導に従事。30年前から指ヨガを研究し、10年ほど前に『指ヨガ健康法』(日貿出版社)を出版、現在は600名の龍村式指ヨガのインストラクターを養成している。

 

 

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Posted: October 27, 2017