メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2019.5.24この記事の所要時間:約9分

3月5日、東京・六本木で「メットライフ生命シンポジウム『#老後を変える』ウーマンライフデザインサミット」が開催されました。本シンポジウムは、政府主催の「国際女性会議 WAW!/W20」の趣旨である「女性が輝く社会づくり」に賛同したサイドイベントであり、メットライフ生命主催で2014年から開催されています。

 

多くの人が集まる会場

 

過去、女性の働き方と活躍推進について議論されてきましたが、5回目を迎えた今回は、視野を広げて女性の「ライフデザイン」に焦点を当てました。人生100年時代を見据え、どのようなライフデザイン、すなわち人生設計や人生のかじ取りが必要か。産官学民、それぞれの分野で活躍する方々を迎え、講演や議論が行われました。

 

オープニングスピーチ「多様化する女性の生き方」
外務省 総合外交政策局 女性参画推進室長 松田友紀子氏

松田氏は、3月23日、24日に控えた「第5回国際女性会議 WAW!/W20」の趣旨を述べた後、日本における女性の労働者の現状やその背景、経済効果について語りました。一方で、経済面や女性管理職の割合など「日本のジェンダーギャップ指数は149ヵ国中110位」とまだまだ課題があると言います。

「人生100年時代を迎えるにあたり、変化に対応できるよう柔軟な構えが重要。意思決定を他人に依存せず自分で決め、決めた意思を尊重する社会であることが大切だと思っています。そのために政府、民間企業、教育機関、市民社会、一人ひとりが主体となって進めていくことが必要」と述べました。

松田友紀子氏 [松田友紀子氏]


 

講演「老後を変える全国47都道府県大調査から −−女性のライフデザインを考えるためのヒント−−」

続いて、メットライフ生命 チーフマーケティングオフィサーの鈴木祥子氏が、2018年に同社が行った「老後を変える全国47都道府県大調査」から「女性のライフデザインを考えるためのヒント」と題して、女性の経済面、健康面、生活の質についての意識調査の結果を発表しました。

鈴木祥子氏 [鈴木祥子氏]


鈴木氏は、「人生100年時代を迎える中で、私たち女性自身がどう人生をライフデザインするのか、また楽しみながらどう人生の舵を取っていくのかということを皆さんと一緒に考えてまいりたい」と冒頭挨拶をし、メットライフ生命の「#老後を変える」ためのさまざまな取り組みを紹介しました。続いて、2018年にメットライフ生命が実施した「老後を変える全国47都道府県大調査」から、女性の観点で抽出した結果を発表しました。まずは実態を把握することが大切であり、調査を通して、仕事の有無で経済面、健康面、生活の質についての意識や価値観が大きく異なることや、男女間でも意識や現状、課題の違いが明らかとなり、不安を持ちながらも一歩踏み出せない女性たちの姿が浮き彫りとなりました。

さらに、健康寿命とは言葉どおりに元気で長生きすること、資産寿命はお金の心配をせずに暮らせること、そして貢献寿命は年齢を重ねてもお友達や人や社会とのつながりを実感し、生きがいを持てることとし、「明るく豊かな老後には健康寿命、資産寿命、貢献寿命の3つの寿命が大切」ということが見えてきたと話します。

今日のディスカッションを通じて、仕事をして、あるいは人とつながって社会とのつながりを実感して、貢献寿命につながる行動力を一緒に養っていければ、と語りました。

 

自分の幸福を追い求めることは、社会の幸福につながる
基調講演「幸せのメカニズム」

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授 前野隆司氏

「幸せは測ることができる」とした上で、幸せの定義について述べたのは、機械・設計工学のエンジニアから幸福学の研究者に転身した前野氏です。

前野隆司氏 [前野隆司氏]


機械・設計工学のエンジニアから幸福学の研究者に転身した経歴を持つ前野氏は、「健康診断でお腹が出ていると言われたら運動したりして改善しようとするのに、幸せを測っても改善しようとしていない」と“幸せ”に対し新たな視点を提供した上で、すでに「幸せだと免疫力が高く、健康で、長寿であるという研究結果はたくさん発表されており、健康とともに幸福に気をつける時代に来ている」と、時代の転換期にあることを示しました。

さらに前野氏は、幸福学の観点から人生100年時代への希望について「研究で、90~100歳の幸福度は極めて高いことがわかっています。幸福学から見ると、人生100年時代は素晴らしいのです」と述べました。

仕事と幸福度についても前野氏は興味深いデータを紹介、「幸福感の高い社員の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高く、欠勤率や離職率が低い。幸せ、創造性、多様性は強いつながりがある」と幸福を追求することの素晴らしさを語った後、コンピュータ分析によって導かれた「幸せの4つの因子」を解説しました。

・第1因子:やってみよう因子「自己実現と成長」
・第2因子:ありがとう因子「つながりと感謝」
・第3因子:なんとかなる因子「まえむきと楽観」
・第4因子:ありのままに因子「独立と自分らしさ」

和の精神を大切にする日本人は、第2因子の「ありがとう因子」を育てていくのは得意だそうです。「ありがとう因子」を伸ばしつつほかの因子ともバランスを取ることが重要だとし、参加者に「まずみなさんが幸せになって、幸せを世界に広めていきましょう」と呼びかけました。

 

向き、不向きも挑戦して初めてわかる
パネルディスカッション1「女性の幸せなライフデザインとは? 幸福の人生多毛作」

モデレーター:伊藤忠ファッションシステム(株)取締役 ifs未来研究所所長 ジャーナリスト川島蓉子氏
パネリスト:カルビー株式会社 上級執行役員(当時)株式会社ONE・GLOCAL 代表取締役 鎌田由美子氏、介護福祉士 モデル 上条百里奈氏、翻訳家 杏林大学外国語学部准教授 関美和氏

パネルディスカッション1では、モデレーターの川島氏を中心に、パネリストが意見を交換しました。今の仕事との出会いやきっかけ、失敗、幸せと感じる瞬間などなど、アクティブに活躍されている華やかなパネリストのみなさんでも、振り返れば多様な挑戦の中、挫折、不安を数多く乗り超えられてきたことが話されました。

モデレーターの川島蓉子氏(左)とパネリストのみなさん [モデレーターの川島蓉子氏(左)とパネリストのみなさん]


モデレーターの川島蓉子氏(伊藤忠ファッションシステム(株)取締役 ifs未来研究所所長 ジャーナリスト)がパネリストたちに仕事との出会いを尋ねると、介護福祉士でモデルの上条百里奈氏は、中学生時代の職業体験でのエピソードを披露しました。

「高齢者向け施設で90歳、100歳の方々から『今が一番幸せ』という言葉を多く聞きました。私のつたない介助でも『ありがとう』『嬉しい』と言ってくれる、こんな温かな人たちと一緒にいたいと思い、介護福祉士を目指すことにしたのです」
 

パネリストの上条百里奈氏 [パネリストの上条百里奈氏]


翻訳家で杏林大学外国語学部准教授の関美和氏は、「子どもの頃から翻訳本が好きだったのですが、読みにくいものが多く、もっと読みやすくならないかという思いから翻訳家を目指しました。翻訳が私を見つけてくれたんです」と、翻訳家という仕事との素敵な出会いを教えてくれました。

さらにディスカッションは、仕事での失敗や挫折に及びます。カルビー株式会社 上級執行役員(当時)の鎌田由美子氏は、サラリーマンとして仕事をすることの大変さと、その魅力について語りました。

「サラリーマンは自分の意思にかかわらず、やりたい仕事もやりたくない仕事も回ってくるので、自分の向き不向きがよくわかります。様々な仕事を通して、それを20代、30代のうちに気付けたのはとても良かったと思います」

それぞれの仕事のきっかけやエピソードが話される中、「女性が幸せになるには?」ということについて、会場が笑いにつつまれたり、大きく頷く声が聞こえたりと盛り上がりました。

 

不安があってもいいから、行動してみる

パネルディスカッション2では、さらに質問者として大手銀行や保険会社で現在働いている女性4名が加わり、「幸福寿命」をテーマに質疑応答形式でのディスカッションが行われました。

「生き生きとした人生を手に入れるために、過去犠牲にしたこと、我慢したことは何か?」「女性の老後がどう変わっていくのか?」といった、それぞれの悩みに基づく率直な質問が投げかけられました。

「(パネリストの方々の)行動力の源はどこにあるのか?」という質問に対して、関氏は「マラソン大会に申し込んでからシューズを買う、みたいなイメージで(良い意味で)浅はかに行動する。やり遂げられないこともあるし、慎重さも大切だが、まずは数で勝負して、チャレンジしてみること大事」と回答、会場の笑いを誘いました。

その中で「日本では新しいポジションを提案された時に、『無理』『まだ準備していない』と言う女性も多いが、そのような不安を抱えた経験はあるか? どう克服したか? どのようなアドバイザーがいたか?」といったワーキングウーマンらしい具体的な質問も。

それに対し鎌田氏は、39歳でJR東日本の子会社の社長になることが決まり、不安にさいなまれていた時の経験談を紹介。「当時60代くらいだったJR東日本の社長が『毎日新しいことだらけで、毎日わからないことに遭遇している。君はまだ40歳になっていないでしょう? わからなくて当たり前だ。人間、良心に基づいてやるところしか最後のよりどころはないんだよ。大丈夫』と言ってくれた時にモヤモヤが無くなりました。その後も失敗はたくさんあったけれど、怖くなくなりました。いまでも私のバイブルだと思っています」と経験を通じた貴重なエピソードを披露しました。
 

パネリストの関美和氏 [パネリストの関美和氏]

      

パネリストの鎌田由美子氏 [パネリストの鎌田由美子氏]


 

総括「幸せのかたちを見つけるために」
伊藤忠ファッションシステム(株)取締役 ifs未来研究所所長 ジャーナリスト川島蓉子氏

パネルディスカッションを通して、川島氏は「年齢やキャリアではなく、幸せになるため、良いライフデザインを描くために、ささやかでも今日からできることがあるのではないのか」とし、ライフデザインに重要な3つの要素について以下のように語りました。

1つめは、素敵なライフデザインを築くためには、頭ではなく、心や感覚が面白いと喜んでいることを確認すること。そしてその先にある“誰かの役に立ち社会と接点を持つ”ということが、ライフデザインをする上で欠かせない要素になります。

2つめは、“口に出して言ってみる”のは意外と強いということ。自分に向けて“今日は大丈夫だ”と言ってみてください。実際に声に出してみれば、自分にとって大きな助けになるかもしれません。

3つめは、女優・樹木希林さんにお会いしたときに、やさしく言っていただいた“人生上出来”という言葉。川島氏は、「年齢に関係なく、私の人生は上出来よ、と思うことが、日々をつくっていくのではないか」と樹木希林さんに言われた言葉がとても印象に残っており、自分もそう思いながら生きていきたいと言います。

最後に川島氏が自分の人生を肯定することの大切さを述べ、本シンポジウムの総括としました。

モデレーターを務めた川島蓉子氏 [モデレーターを務めた川島蓉子氏]


 

クロージングスピーチ「ダイバーシティの推進で企業とコミュニティの活性化を」
メットライフ生命 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者 エリック・クラフェイン

本シンポジウムのクロージングスピーカーとして登壇したクラフェイン氏は、ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(包括性:違いを理解し、受け入れ、生かしあうこと)の可能性と推進の必要性について「これまで20年ほどグローバル企業、グローバル組織の一員として活躍してきたので、世界各地でこうしたダイバーシティ、インクルージョンに関するさまざまな取り組みをいろいろな国で見てまいりました。そこから学んだことは、ダイバーシティ、インクルージョンという取り組みは、それぞれの国の文化に合わせたものにしていかなければいけないということです。これまでのさまざまなデータ、研究が明らかにしていることは、多様性のあるチームのパフォーマンスが高いということであり、これは紛れもない事実といえます」と述べました。

さらに「日本では女性の能力が社会にとって必要なものと認識」している一方で「女性、男性にかかわらず、私たち一人ひとりがアクセルを踏み込まなければならないタイミングに来ている」と、変革のチャンスが訪れていることを明言しました。

そして、「イノベーションを行い、お客さまに寄り添うことが企業の成長につながり、社会全体を豊かにするのです」と締めくくりました。
 

メットライフ生命 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者のエリック・クラフェイン氏 [メットライフ生命 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者のエリック・クラフェイン氏]

 

 

 
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