メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2018.1.12この記事の所要時間:約5分

お風呂上がりにキンキンに冷えたビール、週末に居酒屋でハイボール、休日のカフェでランチワイン、とっておきの芋焼酎で晩酌……。おいしいお酒は頑張った日の夜や週末の自分へのご褒美でもありますが、「最近少し飲み過ぎかな、減らした方が良いのかな」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省研究班の研究(*1)を元に年代別の飲酒行動をみてみると、50代男性の1割弱は潜在的なアルコール依存症の疑いがあり、3割以上が危険な飲酒を行っています。

*1 参考:厚生労働科学研究費補助金疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究」,研究代表者=樋口進,H25年度総括研究報告書(厚生労働科学研究成果データベース閲覧システム/2017年10月13日利用)

過度な飲酒は多くの病気を招く要因となり、アルコール依存症のみならず、アルコール性肝疾患や心筋症、肝硬変、脳血管の疾患、さらには転倒や転落などの事故の恐れも高まります。

では、どの程度の飲酒量を目安にすればいいのでしょうか?
厚生労働省の指針では、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」は、1日当たりの純アルコール摂取量が男性は40グラム以上、女性は20グラム以上としています。純アルコール20グラムとは、ビールならロング缶1本(500ミリリットル)、ワイン180ミリリットル、日本酒1合、25%の焼酎110ミリリットル程度に相当します。例えば「毎日お風呂上がりにロング缶を1本空けて、晩酌で焼酎を1〜2杯」程度の男性も「飲み過ぎ」といえますね。
年齢や性別、体重、体質等により異なりますが、厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安は1日平均純アルコール換算20グラム程度(高齢者、女性はさらに少ない量が適当、飲酒習慣のない人には推奨しない、アルコール依存症患者は完全断酒が必要)。また、アルコールの分量の他、飲み方にも注意が必要です。会話や食事を楽しみながらゆっくり飲むこと。水分補給もわすれずに。もちろん一気飲みやヤケ酒は厳禁です。

 

お酒は、会話や食事とともにゆっくりと楽しみたい お酒は、会話や食事とともにゆっくりと楽しみたい

 

「飲む人」の総数は減っても、実は「飲み過ぎる人」の割合は変わらない

「でも、最近はお酒を飲む人は減っているんでしょ。30代や40代はあまりアルコール依存症の心配をしなくてもいいのでは?」と、疑問がわきませんか? そこで、アルコールの問題に詳しい財団法人日本断酒連盟(以下、断酒連盟)に、最近の飲酒状況について話を聞きました。

すると、「確かに近年は日本国内のアルコール消費量も常習的にお酒を飲む人の数も減っています。しかし、問題のある飲酒行動をしている人の割合はほとんど変わっていないのです」という意外な答えが返ってきました。確かに厚生労働省の発表(「平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要」)を確認すると、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している」人の割合は、平成22年から平成28年まで、男性は15%前後で推移しています。女性にいたっては7.5%から9.1%と、むしろ増えていることがわかります。
さらに、年代別の現状を確認してみます。「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している」男性の総数(全年代の平均)は14.6%ですが、50代は22.7%、40代は20.3%、30代でも16.8%に上ります。

 

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合(男性、年齢10歳区切り)のグラフ

 

断酒連盟によると、アルコール依存症や飲酒による健康悪化のリスクはだれにでもあるものの、『自分だけは違う、自分だけはなるわけがない』と思い込むことにより、なかなか気付けなくなってしまうそうです。そこで、ぜひ次の2点をチェックしてみて下さい。
まず、習慣的にお酒を飲む人は、厚労省が示す「節度ある適度な飲酒」(1日平均純アルコール換算20グラム程度、缶ビールならロング缶1本程度)が守れるかどうか。
次に、結婚式や忘年会などの宴会における「機会飲酒」(何かの機会に時々飲む)時に、酔いつぶれたり記憶をなくしたりしていないか。
キーとなるのは「酒量のコントロール」という考え方です。「健康のために守るべき飲酒量を分かっていながら飲み過ぎてしまう」「人に迷惑をかけるのにつぶれるまで飲んでしまう」。どちらのケースでも、頭で分かっているはずなのに飲む量をコントロールすることができない、自分でやめられない状態に陥っていますよね。これが依存症の第1歩なのです。

では、飲み過ぎに気付いたら次はどうすればいいのでしょうか。
一番のおすすめはアルコール依存症の専門医療機関を受診することです。しかし、断酒連盟によると、アルコール依存症に対する偏見もありなかなか自発的な専門医療機関の受診に繋がらないのが現実だそう。過度な飲酒が原因で体調が悪化して医療機関を受診したとしても、専門医以外だと「少し酒量を減らしましょう」といったアドバイスで終わってしまうこともあり、体調が回復したら再度深酒を繰り返し、さらに依存症が悪化する恐れもあるのだといいます。

「ちょっと飲みすぎかな、コントロールが効いてないな、でも病院は抵抗がある」という方は、断酒連盟の相談窓口に問い合わせてみてはいかがでしょうか。「断酒」というと「アルコール依存症が悪化した場合の最後の手段」だと思われがちですが、断酒連盟は日本各地に窓口があり、アルコールに関する幅広い相談を受け付けているそうです。

過度な飲酒は本人ばかりではなく、家族や友人、職場関係など多方面に悪影響をおよぼします。断酒連盟の話では、飲酒の問題で会社を解雇されたり出世の道がたたれたりする方も珍しくはなく、月々の収入や退職金、年金額など、金銭面で老後の生活に直結しているのだそうです。また、収入の問題から家族関係がぎくしゃくしてしまうケースもあるのだとか。

お酒は当然適量を守ってスマートにたしなむ。その上で少しでも「飲み過ぎかな」と感じたら「自分だけは大丈夫」と思い込まず、念のためという気持ちでいいので専門の医療機関や相談機関に足を運ぶこと。これが大切な人や大切な仕事、そしておいしいお酒と末永く健康につきあっていくための秘訣のようですね。

 

大切な仲間とおいしいお酒を楽しむひととき 大切なものを守るためにも、飲酒は適量を心がけよう

 

取材協力:公益社団法人日本断酒連盟 http://dansyu-renmei.or.jp/susume/index.html

 

 

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Posted: January 12, 2018