メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.9.11この記事の所要時間:約8分

有名人の乳ガン公表 女性の30~64歳では、死亡原因のトップ

有名人による乳ガンの体験や告白によって乳ガンが身近な病として認知されてきました。乳ガン検診受診率向上を目指し活動を続ける「ピンクリボンフェスティバル」は今年15周年を迎え、10月には乳ガンを公表した麻倉未稀さんなどによるイベントが行われる予定です。

乳ガンへの意識も高まりピンクリボンがスタートした15年前と比較したら、乳ガンは減っているのではないか?そう思われる方が多いかもしれません。

しかし残念ながら乳ガンで命を落とす人は増加しているのです。

 

女性の乳ガンの死亡数 出典:厚生労働省人口動態統計2017年6月2日発表を基に作成

 

厚生労働省の発表では、2016年の乳ガンによる死亡数は14,013人で年々増えています。女性の30歳から64歳では、乳ガンが死亡原因のトップ。

そして生涯に乳ガンを患う日本人女性は、現在、11人に1人※1と言われ、女性にとっては最も身近な病気になっています。

乳ガンによる死亡率は、なぜ減少しないのでしょうか?

その要因の一つとして考えられるのが早期発見につながる検診率の低さです。

※1 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」最新がん統計 (2016年8月2日更新) >3.がん罹患(新たにがんと診断されること 全国推計値)>5)がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2012年データに基づく)より

 

日本の乳ガン検診受診率は最低レベル

欧米などでは、検診受診率の向上により早期発見が増え、治療の進展とも重なって死亡率が年々減っています。

その一方で、日本では国が定期的な検診受診を推奨しているものの、乳ガン検診受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国30か国の中で最低レベルに位置するとの統計も出ています。

 

乳ガン検診受診率の国際比較 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」がんの統計'13を基に作成

 

2016年度の国民生活基礎調査でも乳ガン検診率は、36.9%と増えてはいてもまだまだ低いのが現状です。

乳ガンは早期に発見し適切な治療を行えば、良好な経過が期待できるガンと言われています。そして乳ガンは自分で発見できる数少ないガンです。つまりセルフチェックと乳ガン検診を積極的に受けることで最悪な事態と向き合わずに済む可能性が高いガンなのです。

しかし、乳ガンをまだまだ人ごとと考える女性も多く、早期発見につながる検診をしない女性たちが国際的にみても多いのが実情です。そして乳ガンはまだ若いから大丈夫ではなく、若いからこそ関心を待つ必要がある病でもあるのです。

胃ガン肺ガン、大腸ガンのように年齢が高まるとともに増えるガンとは異なり、乳ガンは30代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎えます。比較的若い世代で多くなっているのです。

 

女性の乳ガン年齢階級別罹患率 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」を基に作成

 

平成28年国民生活基礎調査の乳ガン検診の年代別の検診受診状況(国民生活基礎調査は、約30万世帯を対象としたアンケート調査)では、40歳から49歳の検診受診状況が36,830人に対して、30歳から39歳の検診受診状況は14,560人と半数以下になっています。

若年層ほど検診への抵抗が見られ、まだ若いから乳ガンの可能性は低いに違いないとの思い込みもあります。上記のグラフでもわかるように乳ガンは30代から増加している病です。そして、20代でかかる方は少ないとはいえ乳ガンにかかる確率が0%ではありません。若い時から関心を持ち早期発見を心がけることが大切です。

検診への抵抗の理由には、乳房を見せるのが恥ずかしいと言う方もいます。女性にとって乳房はデリケートな部分であり視診や触診があると聞けば尻込みしてしまうのも無理はありません。最近は乳ガン検診の女性専門外来や専門の女性ドクターもいるのでインターネットなどで調べてから来院してはいかがでしょう。検診は、乳ガンの早期発見につながります。

さらにマンモグラフィ検査は痛いのではと躊躇する方もいます。検診前から痛いかも知れないと検診を後回しにすることによって乳ガンの早期発見を遅らせ取り返しのつかないことになるかもしれません。乳ガンは発見が早ければ早いほど治癒できる病気です。

40代からは乳ガン検診をサポートし無料検診を実施する自治体も増えていますが若年層は自費検診になります。自費検診は各病院によって差はありますが、乳ガン専門のクリニックで視診・触診・マンモグラフィなどの検査を受けると約5,000円~10,000円かかるようです。確かに自費検診はお金がかかりますがファッションや外食などを少し我慢して2年に一度の乳ガン検診を受けることで、乳ガンへの不安を安心に変えることができるのです。

ちなみにもし乳ガンになった場合、厚生労働省の平成28年度の社会医療診療行為別調査によると、入院費の平均は自己負担3割で228,545円。そして、退院後も抗がん剤治療やホルモン療法などが長期間におよぶケースも少なくありません。治療費のほかにも交通費など予想以上のお金が必要となります。

現在、乳ガンは30代から増加している病です。まだ若いから大丈夫と思わず、乳ガン検診に行くことで早期発見、早期治療をすることができるのです。もし発見されても早期発見ならば金銭的負担も減り治癒できる可能性も高くなります。でも乳ガン検診で1番うれしいことは、何も見つからず健康であることを再確認できることです。

 

退院患者平均在院日数 出典:平成26年度患者調査 退院患者平均在院日数 政府統計の総合窓口を基に作成

 

早期発見のために必要なこととは…

乳ガンは自分で発見できる数少ないガンです。初期の乳ガンには体の不調などの全身にでる症状はほとんどありませんが乳房を観察することで変化に気付くこともあります。

早期発見のためにまずするべきことは、月1回のセルフチェックを習慣にすること。セルフチェックは毎月、生理が終わって1週間前後に行うといいでしょう。生理前だと乳房に痛みや張りがあり、正確な判断がしづらいためです。閉経後の人は月に1度、日にちを決めて行いましょう。定期的にチェックすることで、ふだんの乳房の状態がわかり、変化に気付きやすくなります。
しこりが見つかっても落ち込んでしまうのは早計です。しこりの原因は人によってさまざまなので、乳ガン以外の原因も考えられます。少しでも異常を見付けたら、早めに診察を受けましょう。

そして、大事なことはセルフチェックと並行して定期検診を受けることです。一般的な乳ガン検診は、問診の後、視触診、マンモグラフィ、超音波などの検査を行います。乳ガン検診は婦人科ではなく乳腺外科が専門です。乳腺外科がお近くにない場合は、検診前に総合病院などで何科での受診がいいか確認をした方がよいでしょう。

マンモグラフィとは、乳房のX線検査のことです。乳ガンの初期症状である微細な石灰化や、セルフチェックではわかりにくい小さ なしこりなどを検出することができます。ただし、乳腺が発達している場合はしこりの検出が難しい場合もあります。マンモグラフィでの撮影は、放射線技師が行います。その方法は、乳房を圧迫板とフィルムの入った板ではさみ、薄く延ばして撮影します。撮影は、左右それぞれ、上下と斜め方向から行われます。マンモグラフィは板状のもので乳房をはさみ圧迫して撮影するため、痛みを感じることがあります。圧迫される時間は数秒から10数秒程で痛みには個人差があります。

生理の前の1週間くらいは乳房が張って痛みに敏感になることがあるので、生理が始まって1週間から10日くらいの時期に検査を受ける方がよいと言われています。

マンモグラフィで発見された乳ガンの一例。赤い円に囲まれた部分が病変。

 

マンモグラフィ画像 出典:藤枝市立総合病院ホームページ より

 

超音波(エコー)検査では 乳房に超音波をあて、内部からの反射波(エコー)を画像にして、異常の有無を検査します。放射線を使わないので、妊婦さんにも安心です。超音波検査は乳腺の濃度に影響を受けないので、乳腺が密な人の乳腺とガンのしこりの判別がしやすいと言われています。

乳ガン検診ではマンモグラフィが基本ですが、年齢や乳腺の密度によって有効性が異なるため、超音波との併用が最良です。そして検診は2年に1度定期的に行いましょう。

現在の乳ガン検査は、マンモグラフィ検診では微量の放射線被ばくや痛みをともなうほか、若年層やアジア人に多い高濃度乳腺の場合に、腫瘍の検出感度が低いことが課題です。一方、超音波検診では、検査者の熟練度により腫瘍の検出感度が異なることが課題となっています。しかし近い将来、乳ガン検診が変わる可能性があります。

 

2020年に実用化 マンモグラフィに代わる痛くない乳ガン検診

日立製作所が痛みを伴わずに乳ガンを検診できる技術を開発したと2017年5月に発表しました。

水を満たした検査容器に乳房を入れて超音波を360度の方向から照射、音波の速度などから腫瘍の有無や特性を判別し測定時間は1分ほど。2020年ごろの実用化を目指すそうです。

開発した技術では、受診者はベッドにうつぶせになり、穴が開いた部分から乳房を水に満たした容器に入れて検査を受けます。乳房を囲むようにリング状の装置が上下し、3次元でスキャンすることで腫瘍の堅さなどをとらえ良性か悪性かを総合的に診断できるそうです。

この新たな乳ガン検査が実用化されれば、簡単で無痛で高精度な乳ガン検診が可能になり、さらに放射線被ばくや痛みを伴わない超音波を用いているために検査者の熟練度に依存せずに微小な腫瘍を検出することも可能になりそうです。

 

乳ガン検診装置の模型と試作機の構造 ※乳ガン検診装置の模型と試作機の構造

 

もっと早く見つけていれば…後悔しないために

生涯に乳ガンを患う日本人女性は、現在、11人に1人。年々増え続けている乳ガンは発見が早ければ早いほど治癒できる病気です。

乳ガンのリスクは、誰にでもあります。30代から増加している乳ガン。30代は仕事や子育てに忙しく乳ガン検診は忙しいからを言い訳に後回しにしがちです。でももし、家族や友人、大切な人が乳ガンになったらと考えると人ごとではないはずです。精神的な支えも金銭的な支えも必要になってくるでしょう。乳ガンは早期発見・早期診断・早期治療で不安のない明日を過ごすことができるのです。

 

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Posted: September 11, 2017