メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.11.10この記事の所要時間:約4分

 

高齢者の5人に1人が認知症になる未来

「ここ最近、物忘れが多くなったような気がするけど、これってもしかして……」。歳を重ねると共に自分や家族が「もしかしたら認知症かも」と、心配に駆られることが増えてくるのではないでしょうか。厚生労働省研究班の調査によると、2012年時点の認知症患者は65歳以上の高齢者の約15%、およそ7人に1人(462万人)を数え、2025年には約5人に1人(約700万人)が認知症になると予測されています(※1)。また、メットライフ生命が一般生活者1万4,100人を対象に行ったアンケート調査では、52.5%もの方が「老後に不安を感じること 」として認知症を挙げています。

老後に不安を感じることTOP10 出典:平成30年 メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査(老後に不安を感じることTOP10)」より

早期発見・早期治療で進行を遅らせる——軽度認知障害に気付く

認知症の“予備軍”である軽度認知障害(MCI)も、2012年の調査で約380万人に上る(※2)と推計されました。MCIは認知機能に低下が見られるものの、まだ自立的に日常生活を過ごせている状態です。MCIの段階では物忘れがひどくなったということの他、注意力や判断力が落ちて、家事や仕事に手間取ったり、同時に二つ以上の物事を行うことや整理整頓が困難になったりする症状が見られます。

認知症は、本人や家族の負担を軽減するためにも早期発見・早期治療が重要です。違和感があればすぐに専門の病院を受診しましょう。認知症分野の研究の発展はめざましく、軽度の段階で治療を開始し、自宅環境を整えるなどの適切な対応を行うことにより、症状の悪化を遅らせることができます。また、軽度の内から周囲の人や医師との信頼関係を築いておくことにより、その後の治療もスムーズに進みます。

医師や看護師と笑顔でコミュニケーションをとるシニア女性 症状が軽度のうちに、周囲の人や医師との信頼関係を築いておくことも大切

また、認知症初期の段階では診断が難しいため、認知症や老年精神科の専門医の診察を受けることが肝心です。なぜなら、検査をするだけでは認知症とわからない場合もあり、病歴に加えて、さまざまな検査の結果を組み合わせて診断がなされることがあるためです。

医療機関の受診について、実際に認知症の母親(80代)を持つSさん(50代男性/神奈川県在住)にお話を伺いました。

「約2年前、母の物忘れやご近所とのトラブルから『認知症かもしれない』と不安になり、MRI診断ができる脳神経外科を選んで一緒に受診しました。認知症を診断するためのペーパーテストではあまり問題が見られなかったものの、MRIの画像では脳の萎縮がハッキリ分かったため、アルツハイマー型認知症だと診断され、治療を開始しました。現在はゆるやかに進行している様子はあるものの、身の回りのことはほとんど自分で行っていますし、大きな問題も起きていません。医師から病気の説明を受けているので母自身も自分の症状を自覚しており、投薬や通院もスムーズです。買い物に行ったり、友人や叔母(母の妹)とお茶をしたりと日常生活もそこそこ楽しく過ごせているようですよ」と話します。

またSさんは、若干症状が進行した段階で医師から「介護保険のランクを切り替えられる」とアドバイスを受け、実際に役立ったといいます。介護保険は支援や介護の必要程度に応じて受けられるサポートの範囲が変わります。Sさんは「介護保険制度は複雑ですから、医師の適切なアドバイスは助かります。介護をするにあたって、『何か起きても相談する先がある』という安心感もありますよね。認知症だと診断された時はショックでしたが、今思えば、早く受診しておいて本当によかったです」

不安を感じたら、“念のため受診”で健康と向き合う

認知症と診断されると運転免許証返納後に利用するタクシー代やバリアフリーのリフォーム費用、危険性の低い暖房器具への買い換えなど、治療費以外にもさまざまな出費がかさむもの。正しい知識を身につけ心構えをした上で、金銭面の準備も整えておけば先々の不安も軽くなりそうです。
周囲の人はもちろん、本人が穏やかな生活を送るためにも、早めに医師の診断を受けることが重要です。日付の感覚がずれている、忘れ物が増えた、怒りっぽくなった、仕事や家事でミスが増えたといった小さな違和感を見逃さず、まず専門医に相談しましょう。Sさんも、「病院に行ってもし問題がなかったとしても、それはそれで安心できるからいいじゃないですか」と受診をすすめます。

少しでも不安がある場合は、「念のために」といった気持ちで医療機関を受診して、ご自身やご家族の健康状態と向き合い、老後の生活設計を見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

家族がつくった「認知症」早期発見のめやす
(公益社団法人認知症の人と家族の会 作成)

日常の暮らしの中で、認知症ではないかと思われる言動を、「家族の会」の会員の経験からまとめたものです。医学的な診断基準ではありませんが、暮らしの中での目安として参考にしてください。いくつか思い当たることがあれば、一応専門家に相談してみることがよいでしょう。

家族がつくった「認知症」早期発見のめやす (公益社団法人認知症の人と家族の会 作成) 家族がつくった「認知症」早期発見のめやす (公益社団法人認知症の人と家族の会 作成)

 

※1 厚生労働省「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」(概要)
※2 厚生労働科学研究費補助金疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究事業
   「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」

 

*記載の情報は2017年11月10日時点のものです。
*取材対象者のコメント、内容は個人の見解であり、当社の公式見解ではありません。また、その正確性を当社が保証するものでもありません。

 

 
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