メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2018.1.12この記事の所要時間:約6分

節約や貯金より、まず「どう生きたいか」から考えよう

「老後破産」という言葉が世間を騒がせたり、「老後資金には年金以外に3,000万円が必要」という情報が飛び交ったりする昨今。老後のために、今、どうしたらよいのか不安に思う方も多いかもしれません。今回は、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん(以下、畠中さん)に、今からできる老後の備えについて聞いてみました。

 

ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん

   

「老後の資金のことを考えるのは大事です。ですが、30~40代の内から『節約』『貯金』とお金だけに目がいってしまい、老後のために今の生活をできるだけ切り詰めて現在を充実させないのは本末転倒。老後を迎える前に疲弊してしまいますよ」と畠中さんは明快に言いきります。

「いきなりお金を切り詰めて老後に備えるのではなく、初めに、自分が『どう生きたいか』を考えましょう。旅行が好きなら年1回は海外旅行に行くと決めるなど、人生で自分が何を大切にしているのかを決めることからスタートすべきです」

したいことを老後に取っておいても、60歳以降にそれが必ずできる保証はないからだと、畠中さんは力強く言います。したいことを決め、今はしたいことに打ち込み、それ以外は節約をすればよいとのことです。

「また、生活に応じた適正額の貯金はしておきましょう。貯金の適正額は子どものいる夫婦なら給料(手取り)の10%、DINKSであれば15~20%、実家暮らしなら30%です。具体的な対策は50歳からで大丈夫。50歳以降に届く『ねんきん定期便』からは60歳まで今と同じように働いた場合にもらえるであろう、実際の年金額に近い『老齢年金の見込額』が記載されています。実際にもらう年金額に近い額、つまり具体的な数字がわかった上で、自分たちのライフスタイルも考え直して老後のお金を考えていけばよいのです。節約や貯金だけでなく、住み替えも含めて考える必要も出てくるかもしれません。そういう柔軟性も必要ですね」

人生に合わせて、しなやかに考え方を変化させていくことも大切なようです。

 

老後のための賢いお金のやりくり・貯め方とは?

適正な貯金額がわかったとしても、多くの人はある一定の収入でやりくりすることになります。そこで家計の見直しや節約が必要になってきますが、畠中さんは次のように節約する上でのポイントを教えてくれました。

「生活のすべてにおいて節約、やりくりをするのは難しいもの。結果的に続かず、限界点も早く来てしまいます。無理をしていると、どこかでリバウンドしますしね。まず、生活の中で諦めること(できないこと)と諦めないこと(できること)を整理しましょう。例えば旅行は特に興味がないので諦めるが、食事や洋服に関しては諦めないなど、自分の価値観をはっきりさせます。自分のしたいことに打ち込んだほうがストレスは溜まらず、余計なお金も使いません」

畠中さん自身、したいことができないためにストレスが溜まって、欲しくもないものをストレス買いした経験があるそうです。

節約をするにあたって、家計の予算をどのように決めたらよいのかについては「家計バランスの例」の表を見せてくれました。

 

家計バランスの例

 

「こちらの表は、小学生までの子どもがいる家庭の家計バランスの例です。食費、被服費、夫の小遣い、子ども費など、家計の何%が適切なのかをまとめています。こちらを参考にされるとよいですね。家計診断をしていると、一般的に、食費は予算内で済んでいるご家庭が多いのですが、いっぽうで子ども費の割合がオーバーしている家庭が多いです。必要以上に、いくつもの習い事をさせているケースも多く見受けられます」

さらに節約と合わせて大事なのが、貯金の方法だと畠中さんはいいます。

「貯金をするなら、毎月引き落とされるなど強制力が働く方法がよいでしょう。個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)、財形年金貯蓄、定額自動入金サービス(主にネット銀行で取り扱い)などがお勧めです。そして、貯金の金額を引き上げるときは千円単位で小さく行うこと。1か月20,000円の貯金を30,000円にするのは大変でも、21,000円や22,000円にするなら、それほど大変ではありません。また、保険という方法であれば、今であれば外貨建ての定額個人年金保険もよいです。外貨だからといって怖がらずに、予定利率(積立利率)の高さを利用するとよいですよ。それでも不安を感じるようなら円建ても可能な個人年金保険を検討してみてはいかがでしょうか」

 

貯蓄は天引きにすると無理なくできるという畠中さん 貯蓄は天引きにすると無理なくできるという畠中さん

 

人は手元にお金があれば、使ってしまいたくなるもの。強制的に天引きし、さらにできる範囲で少しずつ引き上げていくのが、無理なく貯めるコツだそうです。

 

老後に役立つ資産運用はこの3つ

最後に、老後に役立つ資産運用を聞いたところ、畠中さんの見解として、次の3つの例を提示してくれました。

1つめは「先ほども出しましたが、個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)はしておくといいですね。iDeCoは毎月の掛金やどんな金融商品で運用するかを自分自身で決めて積み立てていき、60歳以降に受け取る制度です。勤務先の会社によって拠出できる額が決まりますので、まず会社がどういう確定拠出年金を行っているかを確認し、12,000円や23,000円など自分のスタイルに合わせて金額を決めましょう」と、昨今話題のiDeCoについて、運用のポイントを教えてくれました。

2つめとして挙げられるのは株だと畠中さんはいいます。「株の運用もお勧めです。今は相場が上がっていますが、相場が下がったときに買って、上がるまで待つ長期売買ですと、時間はかかるけれどもリスクを抑えた投資ができます。証券会社のアラート機能を使って買いたい金額を登録し、メールの連絡を待つとよいですね。老後資金の場合は、短期売買はお勧めできません。」と、着実な運用を勧めます。

さらに3つめの運用について次のように続けます。「それから、550万円まで非課税になる財形年金貯蓄がよいです。毎月の給与から天引きして行う積立貯金です。まずは、勤務先の会社が行っているかどうかを確認しましょう。財形貯蓄を行っていると、老後の生活でリフォームをしたい場合、財形持家転貸融資という住宅ローンが借りられます。金利が0.67%〜0.79%(※)と日本で一番安く、一定額までは無担保で借りられるのも魅力的です」とその特徴を解説してくれました。

このような老後の資産運用を3つ教えてくれました。いずれにせよ、まずは情報を集めることから始めるのがよさそうです。

「お金のことで行き詰まったら、いったんお金から離れてみるのも1つの手です。活き活き暮らしている人を参考にするとよいですよ。それも、芸能人など手が届かない人ではなく、自分の周囲にいて、楽しく暮らしている人のやり方を真似すること。
例えば、生活は質素だけれど、年2回スキューバダイビングに出かけるご夫婦や、お菓子作りが好きで『家(ウチ)カフェ』で友人を呼び、ケーキを振る舞うのを楽しんでいる主婦の方などいらっしゃいますよね。そういう暮らしぶりを見て、自分にとって何が大切で、どんな風に楽しめるのかを考えるのです。
老後に備えるとは、老後のために今を切り詰めて生きることではありません。『自分はどう生きたいか』をはっきりさせていくことから始めましょう」

今の人生を充実させた上で老後に備えていくこと、これが今も老後も含めた人生全体を豊かにする鍵のようです。

※平成30年1月から3月末までの金利:5年間固定金利制

 

畠中雅子さん

 

<畠中雅子さんプロフィール>
東京都生まれ。ファイナンシャルプランナー。
大学時代よりフリーライターとして活動し、マネーライターを経てファイナンシャルプランナーになる。ファイナンシャルプランナーの資格取得後、大学院に進学し、生命保険会社の会計システムや、金融制度改革に関する研究に携わる。新聞、雑誌、インターネットなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、個人相談のほか、金融機関へのコンサルティング業務などを行っている。1女2男の母親でもある。著書は『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!』(すばる舎)など。

 

 

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Posted: January 12, 2018