メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.12.15この記事の所要時間:約5分

「将来、お金が足りるのか? というご質問については、足りるかどうかは出入り次第になるので、ご本人の習慣次第。ですから、まずご自身の習慣をじっくり振り返ってみることから始めてはいかがでしょうか?」

そう話すのは、新刊『35歳・年収300万円でも結婚して子どもを育てて老後を不自由なく過ごす方法を聞いてみた』を執筆した井戸美枝さん。「私とお会いする際に、必ずカフェでコーヒーを買ってくる方がいらしたんですね。その時に、どのくらいカフェでコーヒーを買われているのかを聞くと、1日2回は買われているという。一杯200円としても、400円。平日毎日買われているなら、20日で月8,000円の支出になります」

井戸さんはこうしたお金を「使途不明金」と呼んでいると話します。こうした支出は経費を計算していくときに、全て雑費扱いとなるため、何に使われているのかが見えづらいのです。

 

コーヒーの支出の年間計算

 

「コーヒーを買わなければ、極端な話、1年で9万6,000円、10年で96万円の支出を抑えられます。まったくコーヒーを摂らない、ではなく、例えば家で自分で入れてマイボトルで持ち歩けば、割安にできるかもしれません。こうしたご自身の消費癖を一つひとつ見直すことが将来不安解決の一歩だと思いますよ」

一度立ち止まり、日々の生活でどのような支出をしているのか、分析をしてみるといいかもしれませんね。

「まず普段の自分の支出を算出したら、将来に向けて計画を立てていきましょう。このとき、お金だけでなく、自分の体(健康)についても意識すべきです。年を取れば衰えますし、病気やケガをしたりすれば、突然の支出増大にもつながります。そうならないためにも、健康的に生きることも重要です」

また将来の収入についても、50歳未満であれば「ねんきん定期便」に加入実績や年金額などが表示されているので、将来「年金が受け取れなかった」というような事態を防ぐために、念のため一度確認してみるのが良いでしょう。

 

女性の長寿問題。そして健康寿命と平均寿命。

「男女別の平均寿命は、女性の方が圧倒的に長寿です。老後資金は100歳まで考える時代といえるのではないでしょうか。気を付けてほしいのは、平均寿命と健康寿命の違いです」

 

男女別100歳以上の高齢者の人口推移 出典:厚生労働省「2016年男女別100歳以上高齢者の年次推移 完全生命表 簡易生命表」を基に作成

 

上記のグラフを見てもわかるとおり、100歳以上の高齢者の推移は女性の増加率が顕著です。また、平均寿命と健康寿命には男性で約9年、女性で約13年の差があります。

 

平均寿命と健康寿命の差 資料:平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」。健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」 出典:厚生科学審議会「健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料」を基に作成

 

「男性なら9年、女性なら13年、介護を受けるなどしながら生涯を終えるまでの期間があるといえます」

この期間は入院や介護などを受けながら生活をしていくことになるでしょう。そこで井戸さんは、「ここの時期を公的年金でカバーできるようにしておき、それまではどのような形であっても、お金を稼ぐことを意識すべき」と話します。

 

お金を稼ぐ意識が大切という井戸さん お金を稼ぐ意識が大切という井戸さん

 

将来不安は「小商い」で「銘々稼ぎ」が解決する

「お金を稼ぐといっても、正社員になるとかそういうことではありません。例えば将来に必要なお金を算出し、続いて公的年金や企業年金でどのくらい賄えるのかを調べるわけです。その結果、あと月5万円あればより良い暮らしができるとわかったのならば、月5万円稼げるスキルを身に付ければ良い、ということです」

長寿社会となった現在は、60歳や65歳で退職したとしても、まだまだ元気。実際に、今の60代の方を見れば、そう感じることが多いのでは? そうなったとき、何もしないのではなく、何か稼げる手立てを準備しておくことが大切です。

「将来に向けてお金を増やすうえで、無駄をなくし、自分の未来に投資をすることは貯蓄だけではありません。今のうちから老後も稼げるスキルを身につけるというのも一つの対策です」

井戸さんは、現代で必要な将来に対する考え方は次の3つだと話します。

 

将来に対する考え方のまとめ

 

1の「収入の範囲内で生活をする」は、冒頭に教えていただいた雑費の中から無駄を排除することから始められますね。2の「借金をしない」について、井戸さんは「自分の未来を豊かにするために、貯蓄や節税、投資をするのが大切ですが、借金は自分の未来を貧しくしてしまいます。私は借金は反対派なんです」と教えてくれました。

そして井戸さんは、どんな状況に置かれている人にとっても、最も大切なのは3の「一生稼げるスキル」だと話します。

「例えば、ご夫婦で奥様が専業主婦という方もいるかもしれません。その場合、奥様は旦那様にもしもがあったときに稼げるスキルを持つべきではないでしょうか? 江戸時代の庶民の結婚生活は、女性の働きも重要な柱で共稼ぎが普通でした。これを『銘々稼ぎ』などといったようです。共同で家計を支えるという感覚ではなく、『個々それぞれ稼ぐ』という意味です。そう考えると、とても現代的といえるのではないでしょうか?」

老後に向けて住まいやライフスタイルも変わっていきます。今のうちからお金のこと、病気やけがのこと、そして自分たちの明るい未来のことを考えておくべきなのかもしれません。

 

井戸美枝さん

 

<井戸美枝さんプロフィール>
井戸美枝事務所 代表。
社会保険労務士、CFP®認定者(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、産業カウンセラー、DCプランナー、発酵マイスター。
神戸生まれ。関西大学社会学部卒業。
平成2年~社労士、平成8年~CFPとして講演、相談業務、執筆業務に従事。
平成16年9月~平成21年12月社会保険事業運営評議会 委員。
平成19年5月 衆議院 厚生労働委員会 参考人。
平成25年10月~社会保障審議会 企業年金部会 委員。
平成29年2月~6月確定拠出年金の運用に関する専門委員会 委員。
日本経済新聞、日経DUAL、東洋経済オンライン、オールアバウト、プレジデントオンライン、日経スタイルなど数多くの連載を持つ。
著書に『35歳・年収300万円でも結婚して子どもを育てて老後を不自由なく過ごす方法を聞いてみた』(総合法令出版)、『5年後ではもう遅い! 45歳からのお金を作るコツ』(ビジネス社)、『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)、『【図解】2018年度版 介護保険の改正 早わかりガイド』(日本実業出版社)などがある。
『日経マネー』『日経ウーマン』『読売新聞『毎日新聞』『PRESIDENT』 『週刊東洋経済』など   テレビ、ラジオなどマスコミの取材、出演多数。

 

 

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Posted: December 15, 2017