ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に向けた職場環境の整備と文化の醸成

メットライフ生命では、お客さまに信頼され選ばれる生命保険会社であり続けるため、多様な人財を惹きつけ、さまざまな価値観を持つ幅広い人財が活躍できるよう、持続可能で柔軟性のある組織づくりに注力しています。

社員の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、誰もが個性とその能力を発揮して互いに協働できる包括性(インクルージョン)のある職場環境と文化の醸成に取り組んでいます。さらに、個々の違いを認識した上で、必要に応じたツールやリソースへのアクセスに不均衡がなく、誰もが平等な機会を得られるよう公平性(エクイティ)に配慮し、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」をグローバルで推進しています。

DEIの推進は、当社のパーパスにもとづいた「サステナビリティ経営の実践」に向け掲げている重要課題の一つ、「社員が働きやすい環境を作る」という項目に組み込まれています。社員が健康で働きがいのある会社として、法令順守をはじめとした職場環境の整備とともに注力しています。

また、次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づき策定した一般事業主行動計画とも連動し、DEIにおける優先事項として、「女性の活躍推進」「男性社員の育児休業取得推進」「障がいのある社員の活躍支援」を掲げ、目標達成に向け取り組んでいます。

■グローバルの方針と取り組み
2030 DEIコミットメント
2022年に、グローバル全体でDEIに関連する2030年までに達成する幅広いコミットメントを発表しました。これらは、多岐にわたる投資、商品、サービス、サプライチェーン、当社の社員ボランティア活動、コミュニティ活動を通じて、必要な支援が十分に行き届いていない方々のニーズに応えるための目標です。この公約では、地域、女性、高齢者、子ども、障がいのある方などへのサポートや研究支援などを含む7つの分野に重点をおいて支援をしています。日本でも、このコミットメントにもとづいた活動を行っています。

 2030 DEI Commitments

「国連女性エンパワーメント原則」への署名
国連と協力して職場と社会における男女平等を促進するため、2020年、メットライフは、米国を拠点とする保険会社として初めて、国連女性機関(UN Women)と国連グローバル・コンパクトが作成した一連のコミットメントである「国連女性エンパワーメント原則」に署名しました。

女性の活躍推進への取り組み

当社では、多様な人財活用の一環として、女性の活躍推進を戦略的優先事項の一つに位置付けています。さまざまライフイベントに直面しても、女性がキャリアを中断せずに働き続けることができるよう、女性社員に特化した能力開発プログラムや学習機会を提供しているほか、役員や管理職の採用選考や後継者育成計画に、公平な数の女性候補を含める社内ガイドラインを制定するなど、女性の活躍の機会を公平に提供しています。

■女性社員向けの能力開発
グローバル企業ならではの強みを活かし、日本語と英語に対応した階層別の女性リーダーや管理職候補向けのリーダーシップ研修およびコーチング、スポンサーシッププログラムを実施しています。
例えば、課長相当職以上を対象にした「ASPIRE」プログラムでは、状況に応じてリーダーシップを使い分けられるようさまざまなリーダーシップスタイルを学び、参加者自身がキャリアのオーナーシップを持つことを奨励します。また、経営幹部と幹部候補を対象とする「EXCELERATE(EXCLUSIVEとACCELERATEの造語)」プログラムは、グローバルで活躍する経営幹部がスポンサーとなり、講義やグループワークなどを通じて女性がリーダーとして活躍するためのスキルと知識を学びます。その他にも、社内外のシニアリーダーからさまざまなリーダーシップ像を学ぶ「Global Connect」や、世界中の金融サービス企業の女性リーダーが、経営者視点のリーダーシップを学び、ネットワークを築く機会として経営幹部を対象とした「Stratos Academy」などを提供しています。
さらに日本独自の施策として、女性社員を対象にした社内・社外のメンターによるメンタリングプログラムを導入しています。

■社員間ネットワーク
グローバル企業のネットワークの広さを活かし、世界各国で同じ志をもつ社員が集まるさまざまなインクルージョン・ネットワークを展開しています。例えば、ウィメンズ・ビジネス・ネットワーク(WBN)では、3月8日の国際女性デーにあわせ、アジア、EMEA、米国、ラテンアメリカの全市場をつなぎ、社員による講話やワークショップを開催しています。地理や時差を活かしたリレー方式にするなど、グローバルで一体感を持った大変ユニークなイベントが実現しています。
また、営業部門の女性社員を対象に毎年、Women in Salesサミットを開催しています。営業に携わる女性社員たちがお互いのベストプラクティスや課題を共有しながら絆を深め、DEIの推進を図ることを目的としてグローバルで展開しています。

■「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」への賛同・参画
内閣府による「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の行動宣言に、当社社長も男性リーダーの一人として2015年より賛同・参画しています。この行動宣言は、当社のDEIに対するコミットメントと共通するもので、男性リーダーとして女性の活躍にさまざまな支援を行うことを宣言するものです。

行動宣言 輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会

男性社員の育児休業取得推進への取り組み

男性社員が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい文化を醸成するため、育児休業を取得した社員の経験談や、取得をサポートした上長や同僚の工夫や気づきなどを記事化し、社内で共有しています。休業制度の内容を分かりやすくまとめ、社員が活用できる育児支援制度や関連情報などと合わせて、定期的に社内SNSを通じて紹介しています。外部講師を招いたセミナーでは、男性の育児休業取得推進が部下を持つ管理職のマネジメントや社員の働き方にどのように影響を与えるのかを学ぶ機会となりました。このような積極的な啓発活動の成果もあり、2022年12月末に会社全体で10.6%だった男性の育児休業取得率は、2023年12月末現在で17.0%に進展しています。

障がいのある社員(PWDA)の活躍支援への取り組み

People with Different Abilities (PWDA) とは、さまざまな能力を持った人々を意味します。当社では、障がいのある社員の特性も能力の一つとしてとらえ、社員一人ひとりの自主性を尊重し受け入れ、活躍できる文化の醸成に取り組んでいます。定期的にPWDA社員とともに働く上で必要な配慮や障がいの特性を学ぶセミナー等を開催したり、通常業務での役割分担・機会創出を図っています。
また、エクイティ(公平性)の観点から全社会議や社内セミナーへのオンライン手話通訳の導入や、字幕機能が使用できるコミュニケーションツールを全社で標準設定にするなど、障がいの有無に関わらず能力を発揮して共に働ける環境を整えています。

■メットライフ生命アカデミー・ブリッジの運営
2014年に開設した前身の長崎ジョブトレーニングセンターのノウハウを活かし、メットライフ生命アカデミー・ブリッジは、2020年に東京および長崎にキャンパスを設立しました。当アカデミーは、PWDAの就業機会の拡大に寄与することや、社会支援活動などを目的としています。このことを通じ、PWDA社員が職場での実業務を体験することで、「働き続ける」ためのスキルアップの機会を提供しています。

■ブリッジビジネスサポートセンターの立ち上げ
PWDAの就業機会の拡大に寄与することを目的とした「メットライフ生命アカデミー・ブリッジ」では、PWDAを雇用し、オフィスワークに必要なスキルや知識の習得に取り組むプログラムを提供しています。さらに、プログラム修了後の活躍の場として、2023年10月「ブリッジビジネスサポートセンター」を立ち上げ、お客さま対応のオペレーション業務をサポートしています。

■オフィスサポートデスクの拡大
2023年4月に東京および長崎本社に新設した「オフィスサポートデスク」では、PWDAの社員が中心となり、社内印刷業務や会場設営、手話サポートなどを通して、日々の業務を支えています。
特に長崎本社は、カスタマーサービスやオペレーションの拠点であることから、印刷業務や印刷物の封入封緘、外部倉庫への送付など、保険書類の発送に関連する業務で力を発揮しています。正確、かつ迅速な対応が評価され、社内からのニーズが増加したことから、2024年1月には神戸の業務拠点にも新設されました。
社内外の人たちと関わるさまざまな業務を行うことで、オフィスサポートデスクの社員たちは、得意分野の力を伸ばすことはもちろん、新しいことに挑戦して習熟度を高め、やりがいを感じて業務に従事しています。

性の多様性(LGBTQ+)への取り組み

■社内外での活動
2023年より、LGBTQ+(※)などの当事者と支援者であるアライをサポートするNPO法人プライドハウス東京に協賛しています。「東京レインボープライド」などのイベント協賛や継続的な社内外の啓発の機会を通じて、LGBTQ+への理解促進、働きやすい環境整備を目指しています。同年には協賛企業の社員が参加できる合同研修会を社内で配信し、「カミングアウトとアウティング」について学ぶ機会を提供しました。

 Pride House Tokyo Logo CMYK

■お客さま向けの取り組み
2016年より、同性パートナーを死亡保険金受取人に指定可能とする契約のお取り扱いをしています。さらに一定条件のもと、「ご家族登録制度」と「給付金代理請求特約」に同性パートナーの方を登録・指定することができます。(詳細はこちら)。

※LGBTQ+:レズビアン/Lesbian(女性として女性が好きな人)、ゲイ/Gay(男性として男性が好きな人、または性別に関わらず同性愛者としてゲイと名乗る場合もある)、バイセクシュアル/Bisexual(女性と男性どちらの性も好きになる人)、トランスジェンダー/Transgender(こころの性が生まれたときに割り当てられたからだの性と異なる人)、クエスチョニング、クイア/Questioning, Queer(自分の性のあり方が定まっていない、もしくは意図的に決めていない人)の頭文字をとった性の多様性を表す総称の一つに、LGBTQだけでは表現しきれない多様な性のあり方をプラス「+」をつけて表したもの。

DEIを自分ごと化するための取り組み

■DEIカウンシル
2021年に発足したDEIカウンシルは、全社から部門の垣根を越え、さまざまなバックグラウンドのメンバーが集まり、ボトムアップの施策を推進しています。社員がDEIを自分ごと化して考え、DEIにもとづく企業文化の醸成と社員が働きやすい職場環境を構築するために議論し、企画から実行に移しています。また、DEIカウンシルの活動は社内の情報サイトに集約し、社員がいつでもアクセスできるようになっています。カウンシルの発足以来、学びと体験を通してDEIを自分ごと化することができる「レッツ・スタディDEI」「レッツ・トライDEI」の2本立ての施策を実施しています。

「レッツ・トライDEI」では、育児と介護に焦点をあて、2023年から「もしも育児&介護しながら働いたら」体験プログラムを展開しました。育児・介護をしながら働く状況を疑似体験することで、課題を自分ごととして捉えることを目的としたものです。例えば、外出しての業務中に託児所から緊急連絡が入ったという想定で、上司や同僚に30分以内に引き継ぎをして、帰社するという体験をしました。限られた時間で引き継ぐために、日頃からチームのサポート体制を整えておくことの重要性を改めて学ぶ機会となりました。

「レッツ・スタディDEI」では、すべての社員にとって心理的安全性の高い職場環境を作ることを目的に、小規模のチームやグループ単位でワークショップを行えるコンテンツを作成し、管理職向けに展開しました。管理職がDEIの重要性について説明し、3種類のグループワークの中から必要な研修を選んで実施する構成になっており、組織内でDEIに関する共通理解を深める機会を創出しました。

■教育プログラム
DEIに関する継続的な社員教育プログラムとして、グローバルで展開している「Inclusion Begins with Me(わたしから始めるインクルージョン)」プログラムでは、マネージャー向けのガイドおよび社員が個人で学習できるアクションガイドやチェックリスト、eラーニングなど、DEIに関する情報が包括的に提供されています。2022年からは世界的に認められた著者、専門家、DEI実践者と開催したグローバルのセッションをポッドキャストで公開しています。

■任意参加型啓発セミナー・イベント
2014年より定期的な組織文化の啓発活動を実施しています。社員が自由に参加できるイベントや学習の機会を増やし、DEIをもっと身近に感じ、理解者、賛同者が増えることで小さなさざ波からいずれ大きなDEIの波を起こすという想いを込めて、2019年に一連の啓発活動を「DEI Wave」と名付けました。2023年は、女性社員によるキャリア形成をテーマとしたパネルディスカッションや、性の多様性(LGBTQ+)への理解を支援するセミナーを開催。さらに、部下の介護・育児と仕事との両立を支援する管理職向け研修を外部講師を招いて開催しました。

働きがいのある職場環境と組織文化の醸成

社員の多様な働き方に寄り添いお互いを尊重し称え合う包括的な環境を構築し、心理的安全性の高い職場環境を作っていきます。社員の活力が新たな価値を生みだす組織文化の醸成を目指します。

■社員の多様な働き方を支援する取り組み
社員一人ひとりに合わせた働き方を実現するため、フレックスタイム、在宅勤務、育児・介護支援など柔軟に対応できる制度の新設や拡充、および支援を適宜行っています。
2023年には、年次有給休暇の時間単位取得制度や、私傷病・家族の介護・子の看護などに使用できる積立休暇制度を新設するなど、社員のより柔軟な働き方に応じた制度を拡充しています。2024年には、仕事と育児や介護の両立を支援するために、育児休業中の一部給与補填や看護・介護休暇の有給化等を実施します。また不妊治療をサポートする制度も導入します。制度に関するガイドブックや情報を社内のイントラネットに掲載し、制度の利用促進を図っています。

■全社コミュニケーションの促進
社員と経営陣のコミュニケーションを促進することを目的に、全社員を対象としたオンライン(一部は会場とのハイブリッド)イベント、「車座MLJトーク」を開催しています。
経営陣がビジネスの最新の状況を共有し、社員からの質問に回答し、双方向なコミュニケーションを実現しています。また経営陣による動画メッセージや、1週間分の会社の最新ニュースやプレスリリースを全社員宛にメールで配信しています。

■社員のエンゲージメント向上に向けた取り組み
年2回、全社員を対象にグローバルで共通の社員意識調査「MyVoiceサーベイ」を実施し、社員の声を集めています。経営陣はすべての声に目を通し、年次で注力分野を定め、アクションプランに落とし、全社また各部門単位での取り組みを実施します。
また、部門の代表が集うMyVoiceアクションチームによるボトムアップの施策を各部門で実施し、積極的な参加を促進することで、社員のエンゲージメント向上に取り組んでいます。

■社員表彰プログラムの導入・展開
すべての社員が尊重され、互いを認め、成果を称え合うことができる包括的で働きがいのある職場環境に向け、私たちのパーパスの実現に特に貢献した社員を表彰するプログラムをグローバルで展開しています。社内システム「Center Stage」より、誰もが同僚を推薦したり、日々の感謝を伝える仕組みを設けています。

外部評価

社員が働きやすい職場環境づくりに注力していることが評価され、以下の認証等を受けています。

■「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」
健康的で働きやすい職場環境づくりの取り組みが認められ、2024年4月、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。2019年以来連続で認定されています。認定されています。当社の健康経営推進に関する詳細はこちらをご覧ください。

■「長崎県誰もが働きやすい職場づくり実践企業認証制度(ながさきキラキラ企業 略称:Nぴか)」
年齢・性別に関係なく、誰もが働きやすい環境づくりに積極的に取り組む長崎県内の企業認証において、2018年より継続して最高評価の五つ星認証を受けています。

 

■「ひょうご・こうべ女性活躍推進企業認定制度(ミモザ企業)」
兵庫県と神戸市が女性活躍や多様な働き方に積極的に取り組む企業等を認定する制度で、企業としての取組姿勢やキャリア形成支援、女性の登用促進、女性が働きやすい環境づくりが評価され、2024年2月に認定されました。

ひょうご・こうべ 女性活躍推進認定 ミモザ企業

■「日経WOMAN 企業の女性活躍度調査2024」
2024年6月号「女性が活躍する会社BEST100」にて、総合11位を獲得しました。この調査は2024年1月~2月に国内有力企業479社からの回答をもとに、「働きがい」と「働きやすさ」という2つの観点から、企業における女性社員活用の実態を、1.管理職登用度 2.女性活躍推進度 3.ワークライフバランス度 4.人材多様性度の4つの指標で測定しています。

メットライフ生命の主なDEI関連の比率(2023年12月31日現在)

メットライフ生命の一般事業主行動計画および女性活躍推進に関する最新のデータは、女性の活躍・両立総合支援サイトの「女性の活躍推進企業データベース」にて公表しています。

女性の活躍推進企業データベース