ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン
メットライフ生命では、お客さまに信頼され選ばれる生命保険会社であり続けるため、多様な人材を惹きつけ、さまざまな価値観を持つ幅広い人材が活躍できるよう、持続可能で柔軟性のある組織づくりに注力しています。
社員の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、誰もが個性とその能力を発揮して互いに協働できる包括性(インクルージョン)のある職場環境と文化の醸成に取り組んでいます。さらに、2020年より、個々の違いを認識した上で、必要に応じたツールやリソースへのアクセスに不均衡がなく、誰もが平等な機会を得られるよう公平性(エクイティ)に配慮し、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」をグローバルで推進しています。
DEIの推進は、当社のパーパスにもとづいた「サステナビリティ経営の実践」に向け掲げている重要課題の一つである「社員が働きやすい環境を作る」という項目として組み込まれています。社員にとって健康で働きがいのある会社として、法令順守をはじめとした職場環境の整備とともに注力しています。
一般事業主行動計画とも連動し、メットライフ生命のDEIにおける優先事項として、「女性の活躍推進」「男性社員の育児休業取得推進」「障がいのある社員の活躍支援」という3つの目標達成に向け、継続して取り組んでいます。
女性活躍推進の取り組み
当社では、多様な人財活用の一環として、特に女性の活躍推進を戦略的優先事項の一つに位置付けています。
2022年12月末時点の女性管理職比率(役員を除く内勤職員と営業職員の合計)は17.8%(前年同期比+1.1%)となり、厚生労働省が発表した「令和3年度雇用均等基本調査」の課長相当職以上の女性管理職比率(役員を含む)の12.3%と、産業別の金融・保険業の同比率13.0%のいずれも上回っています。
■育成プログラム
この数年の主な取り組みとしては、女性リーダーや管理職候補向けの女性リーダーシップ研修の実施など、女性が継続して活躍するための学習機会があります。2021年は女性社員向けメンタリングプログラムとスポンサーシッププログラムを一部導入しました。また、役員や管理職の採用選考や後継者育成計画に、公平な数の女性候補を含める社内ガイドラインを制定し、女性の活躍の機会を公平に提供しています。
■社員間ネットワーク
グローバル企業の強みを活かし、世界各国で同じ志をもつ社員が集まるさまざまなインクルージョン・ネットワークを展開しています。ウィメンズ・ビジネス・ネットワーク(WBN)では、3月8日の国際女性デーにアジア、EMEA、米国、ラテンアメリカの全市場をつなぎ、社内外から講演者を招いて対談やパネル・ディスカッションを開催しています。地理や時差を活かしたリレー方式により、グローバルで一体感を持った大変ユニークなイベントが実現しています。また、2022年12月、営業部門の女性メンバーが参加するWomen in Salesサミットを日本で開催しました。このサミットは、営業に携わる女性社員たちがお互いのベストプラクティスや課題を共有しながら絆を深め、さらにはDEIイニシアチブ推進を図ることを目的としてグローバルで展開されており、初めてアジアで開催されました。
■産官学民連携を通じた啓発活動
①地方自治体との協業
2020年から地方自治体と締結している包括連携協定にもとづき、DEIの観点から若者や女性を対象とした、地域で活躍する人財育成と、地元定着の推進に向けた取り組みの他、世界で活躍できるグローバル人材やSTEAM人材の育成、DEIの理解促進・文化醸成に向けた取り組みに協力しています。
②「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」への賛同・参画
内閣府による「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の行動宣言に、当社社長も男性リーダーの一人として2015年より賛同・参画しています。この行動宣言は、当社のDEIに対するコミットメントと共通するもので、男性リーダーとして女性の活躍にさまざまな支援を行うことを宣言するものです。
③「国連女性エンパワーメント原則」への署名
国連と協力して職場と社会における男女平等を促進するため、2020年、メットライフは、米国を拠点とする保険会社として初めて、国連女性機関(UN Women)と国連グローバル・コンパクトが作成した一連のコミットメントである「国連女性エンパワーメント原則」に署名しました。
男性社員の育児休業取得推進への取り組み
男性社員が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい文化を醸成するため、育児休業を取得した社員の経験談や、取得をサポートした上長や同僚の工夫や気づきなどを記事化し、社内で共有しています。
休業制度の内容を分かりやすくまとめ、社員が活用できる育児支援制度や周辺情報などと合わせて、定期的に社内SNSを通じて紹介しています。外部講師を招いたセミナーでは、男性の育児休業取得推進が部下を持つ管理職のマネジメントや社員の働き方にどのように影響を与えるのかを学ぶ機会となりました。
このような積極的な啓発活動の成果もあり、2021年12月末に会社全体で5.9%だった男性の育児休業取得率は、2022年12月末現在で10.6%と約2倍に進展しています。
障がいのある社員(PWDA)の活躍支援への取り組み
People with Different Abilities(PWDA)とは、さまざまな能力を持った人々を意味します。当社では、障がいのある社員の特性も能力の一つとしてとらえ、社員一人ひとりの自主性を尊重し受け入れ、活躍できる文化の醸成に取り組んでいます。定期的にPWDA社員とともに働く上で必要な配慮や障がいの特性を学ぶセミナー等を開催したり、通常業務での役割分担・機会創出を図っています。
また、全社会議や社内セミナーへのオンライン手話通訳の導入や、字幕機能が使用できるコミュニケーションツールを全社で標準設定にするなど、障がいの有無に関わらず能力を発揮して共に働ける環境を整えています。
■メットライフ生命アカデミー・ブリッジの運営
メットライフ生命アカデミー・ブリッジは、2020年11月に東京および長崎にキャンパスを設立しました。当アカデミーは、PWDAの就業機会の拡大に寄与することや、社会支援活動などを目的としています。
このことを通じ、PWDA社員が職場での実業務を体験することで、「働き続ける」ためのスキルアップの機会を提供しています。
前身である長崎ジョブトレーニングセンター(2014年10月開設)で培ってきたノウハウを活かし、発展させたプログラムを展開しています。
性の多様性(LGBTQ+)への取り組み
■社内外での活動
2023年4月より、LGBTQ+(※)などの当事者およびその方々を理解し支援するアライをサポートするNPO法人プライドハウス東京に協賛しています。「東京レインボープライド」などのイベントへ社員がボランティアでお手伝いに参加するなど、継続的な社内外での啓発の機会を通じて、社員のLGBTQ+への理解促進と、働きやすい環境整備を目指しています。
■お客さま向けの取り組み
2016年より、同性パートナーを死亡保険金受取人に指定可能とする契約の取り扱いを開始しています。
※LGBTQ+:レズビアン/Lesbian(女性として女性が好きな人)、ゲイ/Gay(男性として男性が好きな人)、バイセクシュアル/Bisexual(女性と男性どちらの性も好きになる人)、トランスジェンダー/Transgender(こころの性が生まれたときに割り当てられたからだの性と異なる人)、クエスチョニング、クイア/Questioning, Queer(自分の性のあり方が定まっていない、もしくは意図的に決めていない人)の頭文字をとった性の多様性を表す総称の一つに、LGBTQだけでは表現しきれない多様な性のあり方をプラス「+」をつけて表したもの。
DEI文化の醸成への取り組み
■DEIカウンシル
2021年に設置したDEIカウンシルは、全社から部門の垣根を越え、さまざまなバックグラウンドのメンバーが集まり、ボトムアップの施策を推進しています。社員がDEIを自分事化して考え、DEIにもとづく企業文化の醸成と社員が働きやすい職場環境を構築するために議論し、企画から実行に移しています。DEIカウンシルの活動は社内の情報サイトに集約し、随時更新され、社員がいつでもアクセスできるようになっています。
■教育プログラム
DEIに関する継続的な社員教育プログラムとして、グローバルで展開している「Inclusion Begins with Me(わたしから始めるインクルージョン)」プログラムでは、マネージャー向けのガイドおよび社員が個人で学習できるアクションガイドやチェックリスト、e-ラーニングなど、DEIに関する情報が包括的に提供されています。2022年からは世界的に認められた著者、専門家、DEI実践者と開催したグローバルのセッションをポッドキャストで公開しています。
■任意参加型啓発セミナー・イベント
2014年より定期的な組織文化の啓発活動を実施しています。社員が自由に参加できるイベントや学習の機会を増やすことで、DEIをもっと身近に感じ、理解者、賛同者が増えることで小さなさざ波からいずれ大きなDEIの波を起こすという想いを込めて、2019年に一連の啓発活動を「DEI Wave」と名付けました。2022年は、性の多様性(LGBTQ+)の理解と男性育休の取得推進について外部講師を招いたセミナーを開催しました。
社員の多様な働き方を支援する取り組み
社員一人ひとりに合わせた支援や働き方を実現するため、フレックスタイム、在宅勤務、育児・介護支援など柔軟に対応できる制度の新設や拡充を適宜行っています。また、デジタル技術の活用により、効率的な職場環境づくりを目指しています。
■人事制度の新設と拡充
2022年4月より、フレックスタイム制度において、コアタイムの中抜けを可能とする変更を行いました。また、2022年10月からは、いわゆる「小1の壁」への対応として、育児短時間勤務等の育児支援制度の対象を小学校3年生終了までに延長しました。2023年4月には、年次有給休暇の時間単位取得制度や、私傷病・家族の介護・子の看護などに使用できる積立休暇制度を新設するなど、社員のより柔軟な働き方に応じた制度面の拡充も図っています。
■ファミリーサポート
育児・介護休業取得後の復職支援や職場環境を整備しています。長崎本社には設立時より事業所内託児所を設けるほか、全国で利用できるベビーシッターサービスの補助券や育児・介護用品の支援券などを含む福利厚生制度が充実しています。制度の説明会や情報発信を定期的に実施し、社員が利用しやすい環境づくりに努めています。また、育児・介護と仕事の両立を支援するため、管理職向け研修や体験プログラムを実施し、上司や周囲に相談をしやすい環境を醸成しています。
■社員の心身の健康と幸せ(ウェルビーイング)
お客さまと社会に対して高い価値を提供し続けるためには、社員とその家族も、健康で生き生きと過ごせていることが大切だと考え、積極的に健康経営の実現を目指しています。具体的な取り組みとして、定期的なメンタルヘルス・ハラスメントに関する研修の実施や、社員の健康推進をサポートするモバイルアプリを活用したサービスを取り入れています。スマートフォンやパソコンから、健康診断結果の確認、健康状態に合わせた健康ニュースの配信や歩数計測・体重管理の機能の活用などが可能で、社員の健康的なワークスタイルの促進をサポートしています。また、全拠点・部署で任命されたウェルビーイング推進担当(ヘルスケアチャンピオン)は健康経営推進を担っています。当社の健康経営推進に関する詳細はこちらをご覧ください。
■グローバルの取り組み
メットライフでは、社員の健康促進活動「BeWell」をグローバルで展開しています。社内サイトや社内SNS等を通じて、社員やその家族が利用できる各種福利厚生などのリソースや、日常生活に活かせるヒントなどを定期的に発信・情報提供するほか、年1回はグローバル共通の推進週間として集中的に情報発信やイベントを行う「BeWellウイーク」を継続的に実施しています。2022年には、外部講師を招き開催した女性特有の健康課題についてのオンラインセミナーには、職場や家庭でも参考になると男性社員の参加も多くみられました。
外部からの評価
日経WOMAN「女性が活躍する会社BEST100」 13位
日経WOMAN 2023年6月号「女性が活躍する会社BEST100」にて、総合13位(昨年度21位)、管理職登用度部門では2位(同業種では1位)にランクイン。当社が本調査へ参加以来、過去最高位の評価を獲得しました。
「長崎県誰もが働きやすい職場づくり実践企業認証制度」
年齢・性別に関係なく、誰もが働きやすい環境づくりに積極的に取り組む長崎県内の企業認証において、2018年より継続して最高評価の五つ星認証を受けています。
2030 DEIコミットメント
2022年3月には、DEIに関連する2030年までに達成する幅広いコミットメントを発表しました。これらは、多岐にわたる投資、商品、サービス、サプライチェーン、当社の社員ボランティア活動、コミュニティ活動を通じて、必要な支援が十分に行き届いていない方々のニーズに応えるための目標です。この公約では、地域、女性、高齢者、子ども、障がいのある方などへのサポートや研究支援などを含む7つの分野に重点をおいて支援をしています。
このコミットメントを日本で推進していくため、2023年1月に特定非営利活動法人 Waffleとパートナーシップを組み、女性STEM人材育成の活動を通じて、IT分野のジェンダーギャップ解消という社会課題の解決と女性活躍の未来へ貢献していきます。
メットライフ生命の主なDEI関連の比率(2022年12月31日現在)
メットライフ生命の一般事業主行動計画および女性活躍推進に関する最新のデータは、女性の活躍・両立総合支援サイトの「女性の活躍推進企業データベース」にて公表しています。