Q:市場価格調整とは何ですか。
市場価格調整とは何か?
- 保険商品の中には、保険金額を算出する基となり、契約に付利される利率(基準利率または積立利率)が、金利環境や利率保証期間に応じて設定される商品があります。
- これらの商品は、利率が固定される商品に比べ、その時の金利環境に応じた、相対的に高利率の設定が可能となります。
- こうした金利環境に応じた利率を設定する商品においては、その運用対象である債券価格が金利変動による影響を受けるため、これを解約返戻金に反映させる「市場価格調整」という仕組みを有しています。この「市場価格調整」による解約返戻金の変動のリスクについては、お客さま自身にご負担頂くものとなっていますので、その仕組みについて説明いたします。
市場価格調整の仕組み①(債券価格の変動)
- 一般的に利率変動型の一時払商品は、その運用通貨建ての債券で運用しますが、債券は市場で売買されており、金利環境等によって価格が変動します。
- 例えば利率5%の債券を購入、その後金利が上昇し、新しく発行される債券の利率が8%になったとします。新しく発行される8%の債券に比べて、利率の低い5%の債券は、その価値が下がることになります。反対に金利が下落し、新しく発行される債券の利率が3%になった場合、利率5%の債券はその価値が上がります。このことから一般的に、債券価格は金利が上昇すると下がり、金利が下落すると上がる、ということになります。また、債券はその性質上、満期(償還日)までの期間が長いほど、価格の変動幅が大きくなる特徴があります。
※ここで言う「満期」とは保険契約の満期ではなく、上記で例示した債券の償還日のことを指します。
市場価格調整が適用される商品すべてが、満期のある商品ではありませんので、ご留意ください。
※上記の図は、債券の価格変動をイメージしたもので、保険契約におけるものではありません。また、ここでいう「満期」は債券の満期(償還日)を指します。
市場価格調整の仕組み②(解約返戻金への反映)
- 対象となる保険商品をお客さまが解約される場合、保険会社は運用している債券を売却し、解約返戻金に充当することになりますが、前述の通り、債券価格はその時の金利環境や残存期間などで、契約時よりも上昇することも、反対に下落することもあります。
- この債券価格の変動を、解約返戻金に反映させる仕組みが「市場価格調整」です。
- つまり、ご契約時(または利率更改時)よりも金利が上昇したタイミングで解約請求されると、市場価格調整は解約返戻金を減少する方向に働き、金利が下落したタイミングであれば、増加させる方向に働きます。
市場価格調整がある商品はリスクがある、ということか?
- 市場価格調整が適用されるのは解約・減額時のみです。ご遺族が受けとる死亡保険金や、定期支払タイプの商品における定期支払金に影響はなく、契約時または更改時に適用された利率(基準利率・積立利率)は、所定の利率保証期間中変わることはありません。
- なお、解約日・減額日が利率更改日(基準利率・積立利率計算基準日*)となる場合、市場価格調整の適用はありません。
*基準利率・積立利率計算基準日について:基準利率・積立利率保証期間に応じた年単位の契約応当日のことをいいます。基準利率・積立利率計算基準日に、基準利率・積立利率を更改します。 - お申込みいただく際は、商品性、保障内容を十分にご理解いただき、ご契約後は、市場環境や契約期間中の運用状況に一喜一憂せずに、保障を長くお持ちいただくことをご検討ください。