心疾患とは?種類一覧や種類別患者数の割合

 

記事公開日:2024年4月11日 / 最終更新日:2024年7月31日

心臓の疾患に不安を感じる方のなかには、「心疾患はどのような病気?」「心疾患の種類別の患者数の割合は?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。

当ページでは、心疾患の概要やおもな種類一覧、平均入院日数や平均通院年数などについて解説します。

心疾患とは?

まずは、心疾患の概要について解説します。

心臓に起こる病気の総称

心疾患とは、心臓に起こる病気の総称です。何らかの原因によって心臓に異常が発生し、その障害により血液の流れが滞ることで発症します。おもな心疾患には、狭心症・急性心筋梗塞・不整脈及び伝導障害・心不全などが挙げられます。

心疾患の総患者数は約305万人

心疾患(高血圧性のものを除く)の総患者数は約305万人です。

心疾患の総患者数約305万人
主な疾病の総患者数

心疾患の患者数は40歳代から増え始め、年齢を重ねるにつれ多くなる傾向にあります。心疾患の患者数が最も多い年代は、70~79歳です。

心疾患の年齢階級別総患者数

心疾患診断確定前に患っていた持病の有無

心疾患と診断が確定する前に、患っていた持病の有無をアンケートした結果、「ある」と回答した方は66.8%、「なし」と回答した方は33.2%でした。

診断確定前に患っていた持病の有無

出典:メットライフ生命調べ「特定疾病に関するインターネット調査(2021年11月)」(N:1,802)
*調査対象者は心疾患罹患者または心疾患罹患経験者
*ここでの持病とは、医療機関や健康診断/人間ドック等で診断/指摘されたものを指します。

また、持病の内訳で最も多いのは高血圧(32.7%)、次いで高脂血症(18.3%)、糖尿病(15.8%)と続きました。

高血圧は食塩の過剰摂取、過剰な飲酒、肥満、ストレス、運動不足、遺伝的体質などの組み合わせなどが原因になるといわれています。高脂血症においても、食べ過ぎや運動不足など生活習慣によるものが原因の多くを占めるとされています。

心疾患のおもな種類一覧と患者数の割合

次に、心疾患のおもな種類一覧や患者数の割合について見ていきましょう。

心疾患のおもな種類一覧

以下は、心疾患のおもな病名と症状の一覧です。

病名 症状
狭心症 ・冠動脈が動脈硬化などにより狭窄・閉塞(一時的)し、心筋の血液が一時的に不足した状態
急性心筋梗塞 ・冠動脈の閉塞により心筋に血液が送られず心筋が壊死を起こした状態
不整脈及び伝導障害 ・不整脈は規則正しい心臓の鼓動に異常を呈する場合の総称
・伝導障害は刺激の伝導経路に障害が起きる状態
心不全 ・心臓の機能低下のため、全身の血液循環が悪くなり、心臓に大きな負担がかかった状態
急性心筋炎 ・風邪などをきっかけに心臓にウイルスなどが感染し、心臓の動きが悪くなる状態
弁膜症 ・心臓の弁がうまく開かなかったり閉じなかったりする状態
肺性心疾患 ・肺疾患により、心臓から肺への循環障害が発症し、心臓への負荷が大きくなったために心疾患が生じた状態。

心疾患の種類別患者数の割合

心疾患(高血圧性のものを除く)に占める種類別の患者数で最も多いのは、不整脈及び伝導障害(31.5%)によるものです。次いで、狭心症(28.0%)、その他(20.0%)、心不全(18.0%)と続きます。

心疾患に占める各患者割合

心疾患の平均入院日数や平均通院年数

ここからは、心疾患を患った際の平均入院日数や平均通院年数について解説します。

心疾患の平均入院日数は3週間~4週間

心疾患の平均入院日数は、約24.6日です。

心疾患の平均在院日数
主な疾病の通院患者平均在院日数

「心疾患」「脳血管疾患」「ガン」は、三大生活習慣病といわれています。平均入院日数は、脳血管疾患が77.4日、ガンは19.6日 です。心疾患の平均入院日数は、ガンよりも少し多めです。

定期的な通院年数は平均6.3年

心疾患の定期的な通院年数は平均6.3年です。この数字は、検査および経過観察のための通院、再発後の治療期間は含まれません。

心疾患の定期的な通院年数(初発時)

※検査および経過観察のための通院、再発後の治療期間は除外
※調査対象者は「心疾患罹患者および心疾患罹患経験者」
出典:メットライフ生命調べ「特定疾病に関するインターネット調査(2021年11月)」

心疾患の通院治療では、検査・薬物治療・経過観察などが行なわれます。通院年数が長引くほど、医療費がかさむ可能性を考える必要があるでしょう。

心疾患に備えられる医療保険とは

心疾患に備える方法のひとつに、医療保険への加入があります。

医療保険とは、病気やケガを患ったときに必要な医療費や、病気やケガの影響による収入減などを補うために加入するものです。

下表は、急性心筋梗塞における入院の費用例です。

入院費用例 急性心筋梗塞

55歳/男性/15日間入院
休日に胸痛のために救急車にて受診。診察の結果、冠動脈に塞栓が見つかり緊急ステント留置術を実施。

(当記載内容は一例であり、個々の病状などによって異なります)
(医療費の精算は暦月単位で行います)
(2022年10月1日作成時点での制度に基づく情報です)
(制度の改正があった場合はこの限りではございません)

一時的に支払う費用/実質の自己負担費用
窓口で支払う自己負担額(3割)
高額医療費
医療費以外の費用
【セールス手帖社保険FPS研究所調べ・監修。医療費については令和4年度診療報酬点数表(厚生労働省)に基づき作成(2022年10月1日現在)】

*1 医学管理料とは、主に医師などが患者に対して行う計画的な指導管理や療養指導に対する費用として規定で定められています。

*2 処置料とは、病状に合わせてその時々に必要となる手当てに対して請求されるもので、その項目や内容については別途定められています(体内の各器官の洗浄、傷の手当てなど)。

*3 入院料とは、通常行われる入院中の基本的な医師の診断や治療、および看護に対して請求される基本的な料金です(室料差額の徴収がない場合には室料相当分も含まれます)。

*4 窓口で支払う自己負担額(3割)は、10円未満を四捨五入しています。

*5 高額療養費の自己負担限度額は、1円未満を四捨五入しています(暦月ごとに所得区分「標準報酬月額28~50万円」で計算、多数回該当・世帯合算は非該当)。所定の手続きにより、自己負担限度額を超える分の窓口での支払いは不要となります。

*6 入院時食事代の自己負担額は、1日3食計42食分(入院日の朝食と退院日の昼夕食の計3食分を除く)で計算しています。

*7 室料差額(差額ベッド代)は、15日分で計算しています。

*8 雑費は、15日分で計算しています。その他にも、お見舞いのための交通費などがかかる場合もあります。

この例では、高額療養費制度の適用により治療費や手術費の自己負担額は9万4,257円、医療費以外の差額ベッド代などの費用は11万6,820円でした。ただし、高額療養費は後日口座に振り込まれるため、一時的に支払う費用は62万1,640円になります。

まとめ

心疾患とは心臓の病気の総称で、何かの原因で心臓に障害が生じ、その影響で血液の循環が阻害されることによって起こります。

おもな心疾患には、狭心症・急性心筋梗塞・不整脈及び伝導障害・心不全など があり、入院日数の平均はおよそ3週間~4週間です。

入院時の自己負担費用などに加え、退院したあとに通院が必要になる場合は、その後の治療費やリハビリテーション費用なども考える必要があるでしょう。

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