医療保険の必要性とは?加入検討のおすすめポイントを解説
日本では公的医療保険制度が整っているため、民間の医療保険の必要性について疑問に思っているという方も多いのではないでしょうか。
当ページでは、病気やケガの際に公的医療保険でカバーされる費用を踏まえ、民間医療保険の補完的役割と必要性を解説します。
目次
医療保険の必要性
ここでは、医療保険の目的や公的医療保険の概要、入院中の自己負担費用について解説します。
医療保険の目的とは?
医療保険の目的は、被保険者の病気やケガに対して、かかる医療費の一部または全部を保障することです。
医療保険は、公的医療保険と民間の医療保険の2種類に大別できます。
公的医療保険とは原則としてすべての国民が加入している医療保険で、「国民皆保険制度」と呼ばれています。主な種類や被保険者、運営主体は以下のとおりです。
健康保険 | 国民健康保険 | |
---|---|---|
被保険者 | 会社員、公務員、その扶養家族 | 個人事業主、自営業者、農業従事者、定年退職者、パート・アルバイトなど |
保険者 | 勤務する企業や組織の所属する健康保険団体 | 居住する都道府県・市町村(特別区を含む) |
保険料 | 勤務先が半額負担、給与天引きが基本 | すべて被保険者が負担 |
傷病手当金 | 受け取れる | 原則受け取れない |
出産手当金 | 受け取れる | 受け取れない |
出産育児一時金 | 原則50万円 |
一方、民間の医療保険とは、公的医療保険を補完するものとして、さらに保障を手厚くするために保険会社が販売している保険商品で、加入は任意です。
一般的な民間の医療保険では、主に病気やケガによる入院や手術に対して保障しています。
公的医療保険では医療費の自己負担額が1~3割に
公的医療保険では、保険適用の治療にかかる医療費の一部が支給されます。
病気やケガで治療を受けた場合、公的医療保険適用後に患者ご自身が支払う医療費は総額の1~3割です。自己負担額の割合は、年齢や所得によって以下のように定められています。
6歳未満(義務教育就学前) | 2割負担 | |
6歳~69歳 | 3割負担 | |
70歳~74歳 | 一般所得者等 | 2割負担 |
現役並み所得者 | 3割負担 | |
75歳以上 | 一般所得者等 | 1割負担 |
一定以上所得者 | 2割負担 | |
現役並み所得者 | 3割負担 |
(出典)厚生労働省のホームページ(2024年2月現在)をもとにメットライフ生命にて作成。
最新の情報や詳細については、厚生労働省のホームページをご確認ください。
なお、お子さまの医療費については、自治体からの助成を受けられる場合があります。ただし、助成対象となるお子さまの年齢は自治体によって異なるため、注意が必要です。
医療費が高額になったときには高額療養費制度の利用の検討を
公的医療保険が適用される治療で、自己負担額が高額になったときは、高額療養費制度の利用を検討してみましょう。
公的医療保険制度による保険給付により医療費の負担が一部軽減されます。自己負担額が一定額を超えた場合は、高額療養費制度により還付されます。
高額療養費制度とは、公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額(入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
1ヵ月の医療費の自己負担限度額(69歳以下)
- 出典:
- 厚生労働省のホームページ(2024年2月現在)をもとにメットライフ生命にて作成
-
※その他、世帯合算や限度額適用認定証の交付など、最新の情報や詳細については、厚生労働省のホームページをご確認ください。
公的医療保険の高額療養費制度の利用によって、医療費がかさんだ場合でも自己負担額をある程度抑えることが可能です。
しかし、公的医療保険が適用されない費用には高額療養費制度を利用できないため、その場合はすべて自己負担となる点は押さえておきましょう。
民間の医療保険が必要な理由
民間の医療保険が必要な理由を2つに分けて解説します。
公的医療保険の対象にならない費用を補完できる
公的医療保険によって、保険適用の医療費は一部の自己負担で済みます。しかし、入院時の差額ベッド代や食事代、保険適用外の医療費はすべて自己負担しなければなりません。
他にも、ご家族がお見舞いに来る際の交通費やお見舞い客へのお返し代、病室でテレビを視聴するためのテレビカードなどの負担が必要になることもあります。
入院する患者ご本人が民間の医療保険に加入している場合は、上記のような公的医療保険の対象にならない費用にも備えられます。
長期入院などで減少した収入を補える
入院や治療が長期化したり働くことが難しくなったりした場合、収入が減少するご家庭も少なくありません。
しかし入院中や治療を受けている期間も、家賃や住宅ローンの支払い、ご家族の生活などに一定の費用は要します。そのため、民間の医療保険への加入によって、収入の減少を補うことを検討するのも考え方の一つです。
民間の医療保険の加入を検討するのはどのような場合?
民間の医療保険への加入を検討すると良い場合をいくつかご紹介します。
貯蓄や収入に不安がある場合
貯蓄や収入に不安を感じている場合は、民間の医療保険の必要性があるといえるでしょう。
貯蓄の主な目的は、生活の安心を支えることです。そのため、貯蓄の金額に不安があれば、民間の医療保険で病気やケガに備えるのも選択肢の一つといえます。
また、収入が不安定な場合は、治療や入院の期間に収入が見込めない可能性があるため、万一のときに備えて民間の医療保険を検討するとよいでしょう。
病気やケガによって生活に影響が出る例としては、一人暮らしで入院した際などに身の回りの世話などを頼める方がいない場合や、家庭での家事・育児などを主に担っている人が療養中のときに、配偶者の仕事に影響が出る場合などが考えられます。
ご自身が病気やケガをしたときの生活に少しでも不安があれば、民間の医療保険への加入を早めに検討するとよいでしょう。
先進医療の利用に備えたい場合
先進医療の技術料以外(診察・検査・投薬・入院料など)は、公的医療保険の給付対象となります。しかし、先進医療の技術料は公的医療保険の給付対象外で、全額自己負担です。そのため、民間の医療保険で先進医療に関する特約を付加して対策するのも選択肢の一つです。
「先進医療の利用に備えたいが貯蓄では対応しにくい」といった場合では、念のため民間の医療保険への加入を検討するのも一つの方法といえるでしょう。
自営業で生計を立てている場合
自営業の方が加入する国民健康保険には、会社員・公務員の傷病手当金のような仕組みが原則として設けられていません。傷病手当金とは、病気やケガなどで働けなくなった際の一定期間に、給与に対しての一定額が給付される制度です。
傷病手当金の制度を利用できない自営業の方が病気やケガなどで働けなくなった場合は、収入が大幅に減少する可能性があります。
医療費や生活費の補填に備えることができるよう、民間の医療保険への加入を検討するとよいでしょう。
民間の医療保険の必要性をあらためて考える
民間の医療保険は、公的医療保険の保障に加えてさらに個人の保障を手厚くしたい場合に加入を検討するものです。
公的医療保険が適用されない費用を、貯蓄から補填しても生活に支障が出ない場合は、民間の医療保険に加入する必要はないともいえるでしょう。
しかし、病気やケガは事前の予測ができないうえに、貯蓄だけでは補填しきれない恐れもあります。
病気やケガをした場合の生活に少しでも不安があれば、民間の医療保険への加入を検討するとよいでしょう。
医療保険に関するよくあるご質問
民間の医療保険には様々な種類がありますが、定期タイプと終身タイプには、以下のような違いがあります。
定期タイプ
定期タイプの医療保険では、10年、20年といった一定期間で満了を迎え更新が可能な「年満了」、もしくは60歳、70歳など一定年齢で満了を迎え、更新がない「歳満了」があります。
一般的に、同じ保障内容の終身タイプの医療保険と比べて、加入当初の保険料の支払額を抑えられるのが一つの特徴です。
ただし、更新のタイミングでは更新時の年齢で保険料が再計算されるため、保険料が上がります。また、一定年齢に達すると更新できなくなる点にも注意が必要です。
終身タイプ
終身タイプの医療保険では、一部の特約などを除き基本的には加入時の保障内容と保険料が一生涯続きます。
ただし、同等の保障内容の定期タイプの医療保険と比べて、一般的に加入当初の保険料が割高となります。
民間の医療保険には契約内容によって、入院時の「支払限度日数」が設けられています。
支払限度日数とは、1回の入院で入院給付金を受け取れる日数の上限のことです。30日、60日、120日などのさまざまな支払限度日数が、保険商品ごとに設定されています。
入院日数ごとの割合をみると、以下のグラフのように10日以内の入院が過半数を占めています。
入院日数ごとの割合(出典)
※たとえば、この場合の「5日以内」とは、「4泊5日以内」のことをいいます。
出典:厚生労働省「令和2年患者調査」より作成
また、以下のグラフのように、脳血管疾患など特定の病気は入院日数が比較的長くなる傾向にあります。
出典:厚生労働省「令和2年患者調査」より作成
上記の内容から、リスクに備えたい疾病の入院日数の傾向が短いのか長いのかによって、保険商品の支払限度日数を短いタイプ・長いタイプのどちらにするかを検討するとよいでしょう。
ただし、入院日数の傾向はあくまでも一つの目安です。入院日数が短い疾病であるという傾向にかかわらず入院が長期化する可能性もあるため、あらゆる状況を想定して備えておくとよいでしょう。
多くの民間の医療保険では、病気・ケガによる入院や所定の手術に対する保障が基本的な保障となっていますが、必要に応じてさまざまな特約を付けられるようになっています。
特約は付ければ付けるほど支払う保険料が高くなるため、自分に必要な保障内容をよく考えることが大切です。
主な特約の種類を以下に挙げます。
先進医療に備える特約 | 先進医療の技術料に備えた保障 |
|
---|---|---|
ガン(悪性新生物)などの三疾病に備える特約 |
「ガン(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患」の三疾病に備えた保障 |
|
女性疾病による入院に備える特約 |
乳ガンや子宮筋腫、子宮ガンなど、女性特有の病気による入院に備えた保障 |
|
通院に備える特約 |
一般的には、入院給付金の支払対象となる入院をして、退院後、その入院の原因となった病気やケガの治療を目的として通院した場合の保障 |
特約の保障内容は保険会社によって異なり、上記に挙げた保障内容はあくまでも一例です。
「自分に必要な保障内容がわからない」方は、ぜひ保険相談サービスでお気軽にご相談ください。
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まとめ
公的医療保険適用後の医療費の自己負担額は総額の1~3割です。しかし、入院時の差額ベッド代や食事代などは公的医療保険適用外であるため、すべて自己負担する必要があります。
病気やケガの療養時に、公的医療保険だけでは対応できない費用負担を補填できるのが民間の医療保険です。
公的医療保険だけでは対応が難しい医療費や生活費の費用負担に備えるには、民間の医療保険への加入を検討するのも選択肢の一つといえます。
民間の医療保険の必要性は個人の状況や備えたいリスクによって異なるため、保険相談サービスで一度相談してみてはいかがでしょうか。
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