生命保険のメットライフ ホーム > #老後を変える もしも私が100まで生き... > マネー相談目次 > 長生き時代のヒントを見つけよう!マネー相談<第1回>

人生100年時代を見据えた明るく豊かな暮らしに向け、「長生き時代のヒントを見つけよう!」と題した新コーナーをお届けします。さまざまな年代の方にとっての、長生き時代のライフプランを一緒に考えていくコーナーです。

1回目となる今回は、メディアなどで活躍中のファイナンシャル・プランナー(以下FP)へのマネー相談です。2022年7月、本サイト「もしも私が、100まで生きるなら。」のニュースレター購読の皆さまに、お金のお悩みに関するアンケートを実施しました。お寄せいただいたお悩みに対し、FPの先生が相談に乗ってくださいました。
第1回は、50代女性からの教育資金、老後資金に関するマネー相談です。

2022.10.6 長生き時代のヒントを見つけよう

相談内容に対する夢や目標「教育費、老後資金に不安なく過ごせるようになりたい。」

相談者のプロフィール(写真はイメージ)

  • 神奈川県にお住まいのKさん(50代女性)/会社員(正社員)/年収400万円~600万円(税込み・相談者ご本人)
  • 家族構成:配偶者(45歳)、お子さま12歳の3人暮らし
  • お子さまの進路イメージ:公立中心

相談内容(一部、表現を修正しています)

テーマ:老後資金と資産運用について
目先は教育費用ですが、老後の資金、資産運用について不安があります。預貯金やマイホーム購入、投資信託で資産形成をしていますが、漠然としているだけで、特に確定拠出年金については理解出来ておりません。どこから学んでいけばいいのか、また、老後資金の目標額をどこに定めてどのように計画していけばいいのかアドバイスをいただけたら嬉しいです。

相談内容に対する夢や目標
教育費、老後資金に不安なく過ごせるようになりたい。

世帯収支

加入保険について

  • 加入保険の死亡保障額:1,000万円、入院保障額/1日:0.7万円
  • 配偶者の加入保険の死亡保障額:3,000万円、配偶者の入院保障額/1日:わからない

FPからのアドバイス

こんにちは、FPの豊田眞弓です。いただきましたデータに基づき、長生き時代をもっとわくわくKさんらしく生きるために、家計のお悩みについて考えてみましょう。

まず、「教育費、老後資金に不安なく過ごせるようになりたい」というのが相談のゴールですね。具体的には、確定拠出年金についてきちんと学びたいのと、老後資金の目標額の設定方法を知りたいとのこと。家計の内容で気になった点などもお伝えしながら、ゴールを目指しましょう。
※データが限られるため、一部、推測に基づく回答となっていますこと、ご容赦ください。

継続すること

まず、いただきました家計データから、持ち家であるにもかかわらず、住宅ローンなどの借入がないことが伺えます。また、世帯の月平均手取り収入が51万円に対し、支出合計が40万円となっておりますが、お小遣いやその他支出の記載がないので差額はそれらに当てられていると推測します。

家計データを拝見する中で、「継続すべきこと」は貯蓄です。Kさんの世帯収入が手取り月額40万円の中から、月5万円を貯蓄・運用に回しているのがわかります。児童手当やボーナスからも貯蓄に回せているのではないでしょうか。この貯蓄の目的は、教育資金でしょうか、老後資金でしょうか。金融資産の記載がなかったので、教育資金や老後資金としてどれくらい貯蓄ができているのかは不明ですが、いずれにしても貯蓄は継続しましょう。

お子さまの進路は公立中心とのことですが、大学時代の教育資金として300万~500万円程度は準備しておきたいものです。

参考:大学でかかる学費の目安(単位:万円)

※1 受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金
※2 授業料、通学費、教科書費、施設設備費、学習塾、参考書、習い事等
※3 自宅外は、アパートの敷金、家財道具の購入費等、平均仕送り額を含む
日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」

それとともに、40代以降は老後資金の準備もしっかり行いたい時期です。「漠然と投資信託で資産形成をしている」との記載がありましたが、企業型確定拠出年金やつみたてNISAを行っているのでしょうか。企業型確定拠出年金は会社が掛け金を出してくれて、運用は自己責任で行う年金です。運用する商品の選択や入替も自分で行わないといけません(投資信託の他、元本確保型の商品もあります)。企業型確定拠出年金については職場で導入研修や継続研修が行われているはずですので、その資料を見直してみるのも手です。

また、民間の生命保険で資産運用できるのはご存じでしょうか?例えば外貨建保険は円建の保険に比べて利率も高く、社会情勢の変化が大きい中、インフレに備えて資産を円と外貨で分散することで、リスクを分散しながら資産形成することができます。

やめること

3人家族で食費が15万円は高いですね。日用雑貨が含まれていたり、ランチ代や外食代なども含まれているのでしょうか。何か特別な事情がないのであれば、1割でも2割でも削減をして、老後資金の貯蓄ペースを上げることを検討してはいかがでしょうか。

新しくはじめること

ご夫婦またはお子さまも含めて、家計会議を開いてはいかがでしょう。お小遣いやその他支出に関することや、ご主人の医療保障がわからないとのことでしたが、ひょっとしたら、金融資産の状況などをご夫婦で情報共有されていないのではないでしょうか。お子さまの大学時代の教育資金をどう負担するのか、また、その準備状況の確認など、老後資金についても目標額を設定して準備を進めたいものです。 

ご質問にあった老後資金の目安額は、どのような老後・介護期を送りたいかで違ってきます。まず、ねんきん定期便で年金予想額を調べ、老後の生活費との差を確認します。仕事をやめる年齢から100歳までの累計額を算出し、さらにライフイベント費を加算します。たとえば、月5万円の不足を30年分見込むなら、それだけで1800万円となります。さらに、住宅の修繕費や建て替え、マイカー、旅行、趣味、家電買替え、医療、介護、慶弔など、日常のさまざまな生活費以外に、まとまった資金が必要な分を想定します。 

老後資金を大きく左右するのは介護費です。平均額は約481万円(生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」2021年度)ですが、ケア付き有料老人ホーム等への入居を考えている場合はその分の費用がかかります。メットライフ生命の老後を変える全国47都道府県大調査 2022によると、自身の介護に対し、4人のうち3人(74.2%)が資産を「準備してない」と答えています。準備している方の平均準備金額は139.5万円で、家族間で介護についての話し合いをしていると答えた人は約14%にすぎません。民間の介護保険に加入しているかどうかでも違いますが、家計会議では、ご夫婦でどのような老後の暮らしを送るかをイメージして目標額を見積もってみてください。

なお、死亡保障1000万円、入院日額7000円の保障で保険料が月10万円。これは、終身保険か変額終身などでしょうか。情報不足ですので中途半端なことは言えませんが、ただ、もし医療保障が古いタイプの場合は、健康なうちの見直しをお勧めします。入院日数の短期化が進む中、入院時に一時金が出るタイプが実情に合っていると思われます。

参考になる制度紹介

確定拠出年金は、掛金とその運用益の合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。掛金を事業主が出す「企業型確定拠出年金」と、加入者自身が出す「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。運用は、運営管理機関が選定・提示する運用商品(元本確保型の預貯金や保険商品等と、投資信託)の中から、自分で商品を選んで運用します。

企業型確定拠出年金の概要

※確定給付型年金=厚生年金基金、確定給付企業年金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済

長期分散投資を支援するための非課税制度で、日本在住で1月1日現在20歳以上(2023年1月1日から18歳以上)の方が口座を開設できます。口座内で積立てた分は、運用益と分配金が非課税になるというメリットがあります。非課税投資枠は年40万円、非課税期間は最長20年で、元金で最大800万円の積立ができます。対象となる投資信託やETF(上場投資信託)は、購入時手数料がなく、信託報酬が低水準で運用実績があるなど、長期投資に適した商品に限定されています。ただし、一般NISAといずれか一方しか利用できません。

<プロフィール>

豊田眞弓(とよだ・まゆみ)
永続家計アドバイザー、大学非常勤講師。

マネー誌等のライターを経て94年より独立系FP。個人相談業務や講演、コラム寄稿などで活躍。Yahoo!個人オーサーも務める。子の金融教育と教育資金を考える「子どもマネー総合研究会」理事、「親の介護・相続と自分の老後に備える会」事務局も務める。「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)ほか著書多数。趣味は講談、投資。

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